大町市議会 2022-06-03
06月03日-03号
(3) 将来の
まちづくり(50年の体系)を検討したのか。
(4)
北高跡地利用は市存続の重大懸案である。
2.
ジェンダー平等社会と、
多様性社会実現について
(1) 平等社会、
多様性社会の課題について市長の見解と、行政は現在・将来においていかに進めていくのか。
(2) 教育現場におけるトランスジェンダーなどの課題に、どのように寄り添っていくのか。164
~
17699番
宮田一男
[一問一答]1.ロシアの
ウクライナ侵略について
(1)
平和首長会議の一員である牛越市長は、戦争終結に向けて何をなすべきと考えるか。
2.
難聴者対策について
(1) 特定健診に聴力検査を追加できないか。
(2)
補聴器購入補助制度の導入はできないか。
3.子育て支援について
(1)
福祉医療制度の完全無料化を実施できないか。
4.マイナンバーカードについて
(1) 「
マイナ保険証」使用時の
患者負担増について周知されているか。176
~
1851013番
一本木秀章
[一問一答]1.これからの農業振興について
(1) 大町市
農業振興計画において農業の目指すべき姿は。
(2) 市の
食料安全保障の考えと取組みは。185
~
193
△開議 午前10時00分
○議長(二條孝夫君) おはようございます。ただいまから6月定例会の本日の会議を開きます。 本日の
出席議員数は16名全員であります。よって、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 なお、本日の会議に出席を求めた者は、市長、副市長、教育長、
病院事業管理者、各部長及び庶務課長であります。
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△日程第1 市政に対する
一般質問---------------------------------------
○議長(二條孝夫君) 日程第1 昨日に引き続き、市政に対する一般質問を行います。 質問順位第6位、
大和幸久議員の質問通告は1項目です。
大和幸久議員の質問を許します。
大和幸久議員。(拍手) 〔12番(大和幸久君)登壇〕
◆12番(大和幸久君)
無所属クラブの大和幸久です。今回の質問は、大町市の
まちづくりについて伺います。 前回の質問で、人口の急減時代を迎える大町市の現状認識をはじめとする質問をさせていただきました。答弁を聞いていて、このままでは40年後には人口1万人台まで急減する事態を回避できないのではないかという危惧を抱かざるを得ませんでした。これから大町市に住み続けていってくれる世代に、平和で穏やかに暮らしていけるまちを残していかなければいけません。その
まちづくりの課題と思われる主なものを説明してください。 これで1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員の質問に対する答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) 次世代につなげていく
まちづくりの課題は何かとのお尋ねにお答えいたします。 先般、策定いたしました第5次
総合計画後期基本計画では、基本構想に定めた将来像「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現を目指し、目下、地域最大の課題であります人口減少、少子高齢化の進展に加え、
新型コロナウイルスの感染拡大による景気・雇用情勢の悪化や地球温暖化への対応、地方創生や過疎対策の推進、災害対策や国土強靭化の推進などと認識しております。 市を取り巻く社会情勢の急激な変化により、これまで以上に持続可能な自治体経営と地域特性を生かした
まちづくりを進めることが必要であり、これら様々な課題の解決に向け、市が今後取り組むべき方向を見定めた上で、施策を位置づけたところでございます。 我が国の人口は平成20年をピークに減少に転じ、当市におきましても昭和35年をピークに減少し続けております。令和2年の国勢調査結果では2万6,029人となっております。殊にこの人口減少の進行は、雇用や消費需要の縮小に伴う地域経済の停滞をはじめ、
地域コミュニティの活力低下による互助、共助の弱体化が大きく懸念されます。 とりわけ、農業、商工業における人材や後継者の不足、公共施設、特に行政がカバーする教育施設や道路、上下水道等の生活基盤の維持など、多方面にわたり様々な影響を及ぼすことが懸念されます。これを克服することが最も困難な命題であり、市民の皆様が将来にわたり安心して住み続けることができる持続可能な
まちづくりを進めるため、今なすべき必要な施策を的確に講ずることが急務と考えております。 そのため、第5次
総合計画後期基本計画では、人口減少に歯止めをかけるため、安定した雇用の場の確保や新規起業の支援、大町らしさを生かした新しい人の流れをつくることによる関係人口の創出、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえることなどを重点施策に位置づけております。 今後、これら多岐にわたる取組を推進するに当たりましては、横断的かつ複合的に多くの機関、団体との連携を図るとともに、行政だけの取組では対応が不可能な分野では、市民の皆様への丁寧な説明と認識の共有に努め、多くの市民の参画と協働によることが重要と考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 初めに、牛越市政において、今まで問題点を指摘してきたにもかかわらず、いまだに解決されていない課題について、特徴的な1点について伺っておきます。 これは、下水道の
受益者負担金の問題です。平成30年3月議会で、市長は、事業費の増減にかかわらず負担金の額は変わらない、
下水道条例で精算しない旨定めていると答弁しております。事業費の増減にかかわらず負担金の額が変わらないのであれば、条例で精算しない旨定める必要はなくなります。どちらの見解が正しいのか説明いただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 平成30年3月の
市議会定例会一般質問で取り上げられました
下水道受益者負担金の答弁内容に関する御質問にお答えをいたします。 まず、1点目としまして、事業費の増減にかかわらず負担金の額は変わらないとの市長答弁についてでございます。
受益者負担金は、下水道の利益を受ける皆様に、市が
下水道管渠等の整備に要する費用の一部を御負担していただくものであります。賦課額は区域内に計画する管渠等の
整備費用相当額を目途に、平成8年に制定した大町市
下水道事業受益者負担金に関する条例に定めまして運用をしております。 また、昭和44年に国が示しました
受益者負担金に関する標準条例案、これでは、事業が終了した時点におきまして、当初、計画段階で定めた負担金額を基礎としながら、事業費の額及び
単位負担額を改めて確定しまして、差額が生じたものについて精算を行わなければならないとされております。当時の
下水道整備率、平成30年3月当時ということでございますけれども、約80%ということで、これは議会の議事録にもありますけれども、全ての整備が終了しておらず、事業費が確定していない段階では精算しないということから、負担金の額は変わらないとした趣旨の答弁であるものと理解をしております。 次に、2点目として、当時の部長答弁だったかと思いますが、条例で精算しない旨定めているではなく、精算はしないと答弁申し上げております。これはあくまで、事業が終了していない段階におきまして、その都度精算は行わないとする同様の趣旨と理解しております。したがって、区域内の全ての整備が終了し、さらに整備が確定した段階におきまして、改めて負担金の確定をするものでございます。したがって、
受益者負担金の
精算行為そのもの、これを否定したものではないということで御理解願いたいと思います。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) この答弁について、
下水道事業団は、事業費の増減により受益者が負担すべき額は異なり、国からは差額について精算する旨の通達が出ております。また、条例で精算しない旨定めた行為は違法であり、あり得ないとの見解を示しております。法の規定に違反し、条例を定めた行為は憲法94条に違反します。地方自治法2条16項17項では、法の規定に違反した事務処理は無効と規定しております。また、違法な条例に基づき徴収した負担金は返還しなければならないと思います。市長の見解を伺っておきます。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君)
下水道受益者負担金について、議員からの御指摘に関し、改めて市の見解についてお答え申し上げます。 先ほど、担当部長の答弁でもお答えしましたとおり、負担金の返還は必要ないと申し上げているのではなく、負担金の額は変わらないと答弁で述べております。したがいまして、現行条例に違法性があるというものではないことは御理解いただけるのではないかと思います。 大町市の
下水道条例には、精算はしないということは書いてあるわけではありません。精算金の精算の在り方について触れていない、条例で何も規定していないというのが条例の現在の姿でございます。そうしたことから、繰り返しとなりますが、事業が終了するまで負担金の額は変わらないという趣旨の御答弁を申し上げたものであり、このことについて御理解いただきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 大分見解が違うところです。返還すべき過大徴収分が、返還の必要はないとすることであれば、これは虚偽答弁に当たり、詐欺に当たるのではないかという指摘もあります。見解が大分違うわけですけれども、今後、この見解の相違は詰めていきたいと思っています。私が今回指摘したいのは、このような課題を解決しないで次の世代に先送りすることは、私たちの世代として解決しておかなければならない問題だと思っています。こういう課題があるならば、私たちのいる間にきちんと解決をしていく、この基本的な考え方については、市長はどのようにお考えでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) まず、
議員お尋ねの御質問の中に、私の見解として、返還の必要はないという虚偽答弁とおっしゃっていますが、私自身、返還の必要がないと述べているのは、平成30年3月の定例会の議事録をもう一度読み直してみても、そのような答弁をしておりません。精算についても、議員の御指摘に対し、また市の見解をお答え申し上げます。 私自身の先ほどの答弁の繰り返しになりますが、現時点において、国の通達で示す、事業が終了し、かつ、事業費が確定しているというような段階に、現在、その時点での市の
下水道整備の段階がなかったため、当初、計画段階における賦課額を基礎とする分担金の精算額については、その時点で未確定であり、受益者の皆様への返還が必要か、また必要がないのかといった判断には至っておりません。さらには、この精算行為を否定するものではないことについて重ねて御説明申し上げます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 今の答弁をもとに、また詰めてみたいと思っていますので、次の質問に移りたいと思います。 本日の
メインテーマの人口減少のテーマです。 初めに確認しておきたいんですが、第5次
総合計画前期計画において、市の人口の
社会動態数の目標値と実績数について、どのような評価をしているのか数字を挙げて説明いただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 第5次総合計画の人口等におけます数値におきましては、当初つくりました前期の部分の
人口ビジョンのところから変わってきてはおりません。社会動態につきましては、令和7年の部分のところでマイナス124人の数値に抑えるということで考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) これに対して、目標値はマイナス42人という数字になっていまして、これをどんなように評価しているのか伺いたかったわけですが。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 市の
人口ビジョンを基に、この数字というのはつくられておるわけであります。こちらのほうにつきましては、議員、よく御指摘される社人研の部分のところと市の
人口ビジョン、つくられたところで、市の
人口ビジョンにつきましては、社人研の推計値を基に、それぞれ市がこれから行っていく事業、そういうのを加味して、その人口をどこまで目標値とするかということで定めております。その旨、令和7年でマイナス124人という部分のところの数字を目標値として設定したものであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 目標値がマイナス42人の目標に対して、2年の実績というのはマイナス147人なんです。この開きというのをどのように評価しているのか説明を伺いたいんです。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 目標値につきましては、先ほど御説明したとおり、市が持っていく推計値といいますか、目標の数値になっております。実数値につきましては、議員御指摘のとおり、結構大きい100幾つかの数値になっておりますので、その分のところでは目標に達せなかったということで評価をしております。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 前期計画を、結果を検証する場合に、なぜその差が出たのかという原因の分析ができなければ評価にも何にもならないし、後期計画をつくるにも、そこをきちんとしておかなければ、それに対する対策が立てられないじゃないですか。だから聞いているんですよ。やっていないんですね。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 人口の部分の目標値につきましては、1つの事業、この事業をやったから何人増える、この事業をやったから何人増えるという形の評価というのは非常に難しいものと考えております。そのため、市の後期の計画につきましては、それぞれ前期の部分のところの評価をしまして、その部分のところで、今度、重点施策ということで5つの重点施策を設けまして、それに応じて、人口減少へ歯止めをかけるという形で取り組んでまいるということの評価をしておるところであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 次に出生数、これ、2年の実績が142人に対して、目標値は180人という目標を立っています。この差が約40人くらいで結果的には出ているんですが、この目標値の差というのはどういう原因で出たのか、検証結果を説明ください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 出生数についてお答えいたします。 平成29年から令和3年、5年間の出生数の平均は138人ということでありました。目標値に掲げております基準値は5年間平均ということで138人としたものであります。市の
人口ビジョンでは、毎年の出生数を180人程度の確保を目指すとしておりますが、
コロナ感染症の拡大、それと社会情勢が大変不安定な状況ということで、5年間の出生数が150人程度という形になっておりますので、その部分で150人という形で出生数の目標を定めたということであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 原因は、コロナが主な原因というふうに分析しているんですか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 原因につきまして、コロナだけということには限らないんですが、それぞれ、やはり、この出生数の部分につきましても、当市だけの問題ではなく、全国的にそういった出生数の部分のところが非常に難しい、上がらないという部分になっておりますので、コロナも一つの原因でありますが、社会的な環境ですとか、そういった事業の政策がまだまだ浸透していないと、そういった部分のところも原因があるというふうに考えております。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君)
前期基本計画の評価と検証では、全国的な人口減少、高齢化、地方及び過疎地域の急激な人口減少に触れただけで、大町市の人口減少に対する検証や評価は何も述べられておりません。この検証を本当にされたんでしょうか。これがなければ後期の対策も立てられないと思うんですけれども。その点、説明ください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 将来的な行財政運営を見通す上では、基準となります将来人口、こちらのほうを勘案して政策を立案するということは当然であると思っております。そのため、市のほうの後期の基本計画におきましては、将来人口について、社人研の推計人口、そちらのほうを踏まえまして、市が策定しました
人口ビジョンに基づいて、様々な
まちづくりにおける施策の効果を検証して、目指す人口として設定しておるものであります。 これまで、前期の計画の評価としましては、内部評価、外部評価を行っておりまして、その部分のところで評価をいただいているところであります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 全然きちんとした評価をしていないんじゃないかというふうに、私は今の答弁を聞いて印象を受けています。 次に進みますが、第5次後期の計画では、5年後の令和8年には、社人研が2万3,600人程度になると推計している人口について、400人上乗せし、2万4,000人以上を維持したいとしています。どのような具体策で400人の上乗せをするのか、この内容について説明ください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 400人の人口増に、社人研との差をどのように埋めるかということだと思います。 先ほど御答弁申し上げましたとおり、1つの事業で人口がどのくらい増えるということは非常に難しいわけであります。そのため、市としましは、重点施策、その部分の5つのところで、1としては、雇用の場の確保と新規の起業を支援する、2つとして、新しい人の流れをつくる、3として、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる、4としまして、安全・安心な
まちづくりと時代に合った地域、5としまして、持続可能な地域社会を目指すということで取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、県内19市におきましても、同様に
人口ビジョンというのは作成をしているわけであります。
人口ビジョンと社人研の差が、当市では、2030年では1,200人程度ですが、19市の平均では2,000人以上、大きいところの差では5,000人以上、社人研の5,000人以上の目標数値を掲げております。また、2045年になりますと、当市では3,500人ぐらいの差でありますが、19市の平均は6,000人で、大きいところでは1万4,000人以上の数値を目標数値と掲げております。こちらのほうにつきましては、それぞれ自治体で、社人研のところから、自分たちが施策を打って人口を増やすという取組で、そこに取り組むという形になっておりますので、御理解いただければと思います。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) ほかも減少しているんだからいいんじゃないかという、そういう答弁なんでしょうか。今、5つの施策を言いましたけれども、この5つの施策で、この400人というのは上乗せ、それぞれ、一つ一つの施策ごとに何人くらいいけるんだというふうな見通しを持っているんですか。説明ください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えします。 先ほども答弁しましたとおり、1つの施策、1つの事業で何人増えるということは非常に難しいわけであります。この5つの施策、それぞれを実施することによって総体的に人口を増やしていこうと、人口を維持していきたいというふうに考えているところであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 要は、大体5つやれば400人ぐらいは増えるんだろうと、こういうことなんですね。非常に不安です。そんな状況で400人上乗せをされても、本当にできるかどうかもはっきりしない。こういうことです。 社人研の推計では、令和2年2万6,042人の人口が、5年後の令和8年には2万3,600人へと2,442人も減少するときに、大町市では、今答弁があったように400人程度の増加しか確保できない計画となっております。これで市民が納得してくれるでしょうか。その点についてはどういう見解をお持ちですか。できれば市長の見解を伺いたいんですが。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) まずは、人口減少の一番の大きな分析の方法は、まず、人口減少、人口動態の中で、いわゆる自然動態、そして、もう一つは社会動態を分析することにあります。まず、人口動態の中でも自然動態というのは、生まれてくる子どもの数と、それから亡くなられる方の数、これの差引きによって減少の幅が決まってまいります。また、社会動態につきましては、転入と転出の差が人口の増減に直接関わってまいります。 まず、自然動態のほうでいいますと、やはり、様々な施策を通じて、例えば、出生率を上げていく、これは
人口ビジョンの中にも明確な目標として書いてありますが、そうしたことによって増やしていこうというのが1つ。しかし、そのために何をやろうかとすると、やはり、まず、いわゆる出会いの機会を持つこと、そして、出会ったら結婚、結婚したら妊娠・出産、そして子育て支援、子育て支援に至る各段階について、生みやすく、また育てやすい環境づくりは一生懸命やっていかなければならない、これも第5次総合計画後期5カ年計画の中にも位置づけております。 そうした中で、今、出生率によって、なかなか子どもの生まれる数が増えないという御指摘がありました。昨年、令和2年度1年間では、新たに生まれた子どもの数は138人でした。これは間違いなく令和3年度は、令和2年度から深刻化しているコロナの影響で、妊婦さんが病院に行くと、それ自体が危険だ、リスクを伴う、そうしたことによって全国的に出生数は大幅に落ちたという報道がなされています。 また一方で、亡くなられる方は年間で約360人前後と記憶しておりますが、この皆さんは、大体80歳から90歳に至って亡くなられる方がほとんどです。この皆さんは、ちょうど市が一番企業が栄え、そして地域経済が盛んでありました昭和30年代から50年代初頭までの、市内でも大きな工場が2つあり、企業城下町と言われた、その時代に一生懸命、この地域を産業の分野で支えていただいた皆さんが、ちょうど今、リタイアされてからも地域の様々な市民活動などで先頭に立っていただいた皆さんが、ちょうど終焉の時期を迎えている。この差というものが約200人近くあるわけですけれども、その差というものがどうしても埋まらなかったのが、この5年間です。 とりわけ、特に出生率は、分母には結婚している若い出産可能な女性の数ではなくて、結婚しているか、していないかにかかわらず、全ての出産可能な女性の数をベースにしております。今一番言われているのは、ほぼ結婚されている御家庭では大体2人前後のお子さんをお持ちです。一方で、結婚されていない方は、まさに子どもを産むという環境にないわけです。 そこで、私どもは幾つかの施策の中で、例えば出会いの場を設け、本来、一人一人の、いわゆる人生観、あるいは一人一人の意思で結婚するしないはお決めになることではありますが、やはり、これは個人の問題でありながら、しかし、これだけ大きな婚姻率の低下が危惧される中では社会的な課題と捉え、市と、それから商工会議所、JA農協、そして農業委員会、三者がこれまでも結構相談所を持っていましたが、そうした機能に市が直接関わるんではなくて、実行委員会的なものをつくって、そこで婚姻率を上げていこう、出会いの機会を設けていこう、いわゆる婚活、そういうふうに取り組んできているし、また、いわゆる結婚された方が分娩を迎える、出産を迎えるときに、一昨年の秋から、市立大町総合病院では分娩の取扱いを中止しておりましたが、1年5か月ぶりに今年の4月から、新たに産科部長を迎え、分娩の取扱いが再開されました。 このように、行政としてできる範囲というのは限られているわけです。環境をつくっていく、しかしそれが、なかなか個人が結婚したくない、あるいは結婚するにも機会がなかなか得られない、そうしたことがあれば、出生率というのはなかなか行政が計画どおりに進めるということは難しいですし、またそれによって、どの程度の新たな人口増加が図られるか、それも分析することは極めて厳しい、難しい課題だということは認識するところでございます。 このほか、社会的な動態につきましては、大町市においては平成22年から、他の圏域に先駆けて、いわゆる定住促進のための移住の受入れ、積極的に努めてまいりましたが、このような努力の中で、先ほど申し上げましたような本当にできる限りの人口増を目指しながら取り組んでいるということについては、ぜひ御理解いただきたいと思います。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 今の市長の答弁を聞いていても、市民ってこれ理解もできないし納得もできない、残念ながら。やはりここは、きちんとはっきり説明をしていくべきだと思います。 今、前段で、社人研がこの5年間で2,442人も減少するという推計を出しているんですが、この間に大町市は僅か400人しか増やせない。これはちょっと、この後期計画って全然計画になっていないんじゃないかと私は思います。はっきり言わせてもらって、処方箋がなくて無策と言われても仕方がない計画ではないかと私は思うんですけれども、その辺、市長、もう一遍ここは見直しする、検討し直すという用意はありませんか。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) これは、現在取り組んでいます第5次総合計画の前期の5か年計画、この3月で一応区切りがつきましたが、そのときの分析においても、やはり、この人口減少の幅というのは、社人研が一つのベースになりながら、そこに努力目標を加えることによって、私ども取り組んできました。それは大きな間違いではなかったと今でも思っています。後期5か年計画におきましても、やはり、その実績が上がらないというのは様々な要因が絡んでおり、それはもちろん、一部には行政の責任もあると思いますが、そういったことで、目標の大小はもちろんありますが、目標を掲げ、それに向かって、全ての政策の中でこうした人口減少に歯止めをかける、そうした努力は今後も続けていくべきものと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 次の質問に移ります。 毎年、人口の1%の定住増加を図れば人口の安定化が達成できるという事例について取り上げてみます。 これは、日本で過疎が最初に始まったと言われる島根県、ここにおいて、人口増加事業でもある持続可能な地域社会研究所の藤山浩氏が提唱し、島根県を中心に実際に取り組まれ、多くの成果を上げているものです。大町市では、この事例について検討された経過はありますか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 議員、今お話しいただいたのが、島根県の海士町の取組だと思っております。そこの部分のところのどういった取組をしたかということは、こちらのほうも承知をしております。代表的なものとしましては、職員の意識改革で、住民総合サービス会社として行政を運営していくという部分のところで、職員数ですとか議員定数、公共事業の圧縮を行って経常経費の見直しを図っていくという部分のところと、時間外手当の縮減ですとか、定員数を縮減しながら産業振興に重点を置いた取組をするという部分のところだと思います。 総体的に組織化のスリムとフラット化を図って、民間の力を活用して産業に力を入れるという形ということで認識をしております。 以上です。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) この研究所が独自に開発したプログラムというのがあります。これは、1年間当たりどのくらいの定住を増加させると人口の安定化が達成できるかという具体的な目標数値を算出することができます。この結果、過疎指定市町村の8割で、人口の1.5%未満の定住増加により人口安定化が達成でき、22市町村では、現状で人口安定化が達成できています。島根県出雲市、海士町、長野県大鹿村、高知県大川村、沖縄県宮古島市、与那国町など、22の主なものを挙げましたが、などがあります。そして、全部過疎指定の650市町村合計は、毎年9万534人の定住増加で人口安定化が達成できると、こういう状況になっております。これは、この対象人口の1.2%に相当するというふうになっています。 藤山氏は、毎年人口の1%分、つまり住民100人につき1人の定住増加を実現できれば人口安定化が達成できるという田園回帰1%戦略を唱えております。今回の国勢調査の分析からも、その戦略の有効性が実証されているというふうに言われております。具体的な目標のない限り、具体的な政策は進みません。確かな処方箋を策定して取り組んでほしいと、この藤山氏も述べていますが、大町市では、このプログラム、検討をして採用してみてはいかがというふうに私は提案したいんですが、市長、どうでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 今、御紹介のありましたそうした手法についても、十分研究に値するものと考えております。様々な手法を用いて分析、あるいは評価、そしてそれを施策につなげていくのは、私ども、この定住促進、あるいは人口増対策には必要だと考えております。 なお、先ほど御指摘ありました島根県の事例でございますが、総務部長の答弁のとおりでございますが、何年か前、広域連合における5市町村共同の職員研修、また市民研修の中で、海士町の現職の町長をお招きして、いわゆる講演会を行いました。その中で一番主な対策としては、県立高校が廃校になるその島において、生徒を全国公募して確保したと、これが一番のヒット策だった、それによって地域の消費にもいい影響を与え、そうした1つのきっかけの事例も聞いております。こういったことも含めまして、先進事例をなお研究することによって、私どもの施策を充実させていきたい、このように考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 前向きな姿勢があることで、少し安心しております。ちょっと、この件について、もう少し説明させてもらいますと、地域人口1%取戻し理論というのは、2014年3月、国土交通省が発表した国土のグラウンドデザインの資料にも活用されております。全国の山間地域全体人口383万人を1,000人の集落に見立てて、毎年人口の1%に当たる10名の定住増加により将来のシミュレーションを行ってみますと、2040年時点において、現在の8割程度の総人口維持、高齢化の低下、小・中学校生徒の維持が実現できるというデータが現れております。全国的にも最も厳しい山間地だけを取り上げても、地域人口1%取戻し理論が有効であることの意味は大きいと思います。ぜひ、こういった点も評価して、大町市でも、積極的になるべく早く取組を決めてほしいというのが私の提案であります。 こんな中、このデータに当てはめると、大町市ではどんな目標値になるのか。令和2年実績値、人口は2万6,029人です。これを約2万6,000人として計算して、この1%というのは260人です。毎年260人を取り戻していければ、前掲の全国中山間地データの8割程度の総人口維持でも2万800人の人口が維持できると、こういうことになります。 昨日の地元紙の報道によれば、令和3年の移住者は51世帯92人と報道されています。260人の目標に対して現在の取組でも92人の実績があり、大町市民、行政が真剣に一体となって取り組む体制ができれば達成不可能な数字ではないのではないかというふうに私は思っているわけです。 大町市には自治体病院があり、市民の大きいよりどころであるとともに誇りでもあります。40年後、1万1,000人まで落ち込んでしまうような状況の中で、この自治体病院の経営というのは成り立つんでしょうか。こんなことをしてはいけないというふうに私は強く思っております。だったら、今、この強みを生かして、安心して子育てができる公立病院があるまち、大いにアピールして、移住人口のニーズをつかんだらどうでしょうか。保育園、小・中学校の給食費を無料にして、安心して子育てできるまちを大いにアピールして定住人口を呼び込んだらどうでしょうか。今、これを大町市はやらなければいけないというふうに私は思うんですけれども、市長どうでしょう。こんなアイデアで、もっと多くのものを持っていると思いますが、この取組に対する見解をとりあえず求めておきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 温かな御提言をいただきました。まさに、その点については御指摘のとおりだと考えております。 まず、やはり移住定住の相談窓口、東京での相談会、あるいはインターネットでも、この2年間はやってまいりました。その中で一番大事なのは、子育て環境がどうだ、例えば保育所は整っているだろうか、義務教育学校、小学校はきちんと整っているだろうか、そうしたことが、やっぱりお尋ねの項目に大きく上がってきております。そういったことにつきましては、移住相談窓口、ここの窓口にも置いてありますが、大町市内における、いわゆる子ども・子育ての支援策、保育所の状況、そして、小学校等の学校教育の状況については、別建てのパンフレットで大勢の皆さんに見ていただくような、そんな手配をしてきております。 とりわけ産業振興の中で、企業のトップにお会いして、そして、工場などを誘致するときに言われるのは3つポイントがあります。大町市は産業立地について、まず、優れた医療機関ありますか、2つ目には、交通手段、高速道路からどのくらいでしょうか、3つ目には、きちんとした進学校があるでしょうか、この3つは、必ず企業の経営者からは、そこに立地したときの社員の皆さんの生活環境、その地域にうまくなじんでいくかどうか、その点からも必ずそうした指摘があります。そうしたことに鑑みまして、私どもは、この地域が安心して暮らせる地域であるということをもっともっと磨き上げていくとともに、それをしっかり皆さんにアピールしていくということについては、なお知恵を尽くしてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君)
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 次の質問ですが、関連ですけれども、人口安定化達成市町村のトップランナーである、先ほど話しました海士町は、2009年2,389人の人口が、35年後2044年には2,520人、105%の人口増を予測するところになっております。高齢化率は39%から、若い人が増えて23%へと若い世代の定住が進んでおります。小学生は103人から150人へ45%の増加、中学生は59人から84人へ42%の増加の見込みであります。かつて国から、消滅町村のうちの一つと言われた町の、ふるさとをなくすなという町民挙げての運動が実ったすばらしい事例であります。今こそ全国的に名の知られた海士町ですが、10年前には合併を断念し、不退転の覚悟で島起こしに取り組み始めた頃、役場職員の給与は3割カットなど、苦しみも引き受けながら出発した。しかし、海士町が明日の日本を引っ張っていくという高い志を持ち、海士に来いと全国に呼びかけてきました。地元の高い志に、これまた高い志の移住者が応え、それにまた刺激を受けて地元の人が勢いづいていく、連鎖反応が生まれるというすばらしい事例だったと指摘されております。 海士町の定住戦略の特徴は、徹底した地域資源の地元つながりの力を掘り起こした上で、海士町に定住して頑張ろうとする人々に分かりやすいチャレンジの場所を提供していることです。例えば、商品開発研修という制度があります。これは、15万円の月給をもらいながら、海士の地域資源を生かした商品開発を行い、2、3年間で起業、就業していくというプログラムを実行しています。海士町には至るところに、「ないものはない」というポスターが貼られています。海士町の快進撃を支えるスローガンにしています。この意図は、人が生きていく上で本当に大切なものは全てここにあるという確信の下に基づいて、
まちづくりをしているということであります。 このような事例に倣いながら、ぜひ今、大町市、将来の人口をどうやって増やすか、実際には処方箋がない状態というふうに私は見えます。反論もあるかもしれませんが。本当に将来、約8割程度の人口を維持していくというようなことであれば、このプログラム等をぜひ、なるべく早く検討して、実行を決意してもらいたい。そして、5年、10年、20年とかけて、大町の
まちづくり、将来的に1万人になるようなまちには絶対しないと、こういう決意の下で取り組んでほしいというふうに私は思って、この質問をしているわけです。 この点について、先ほど海士町の例が出ましたけれども、例えば、他の事例、同じ島根県の左鐙地区というような人口が300人程度の地域、ここでも人口1%取戻し戦略を進めていまして、当初、2009年には325人の人口ですが、これが2044年、約8割、259人で減少をとどめられるという結果もデータ的に出ております。一方で、同じ益田市の二条地区のように、660人の人口が2044年には230人に減ってしまうと、こういう失敗事例もありますけれども、やはり両方をよく学んで、大町市もぜひこのプログラムで再生を図るような方向を打ち出していただきたいということであります。 続きまして、大町市の人口の下げ止まりが見えない中で、新たな総合戦略を策定し、持続可能な未来を展望する必要があります。これを実現するときに必要であるという3つの提案について、ぜひ、述べますので検討いただきたいと思います。 その1点目は、現状の人口分析と予測に基づいて、住民、職員、議員、首長を横断した情報共有と合意形成を行い、具体的な定住増加目標などに裏打ちされた新たな
人口ビジョンをつくるべき、まとめ上げるべきだと思います。 2点目は、市町村全体の人口分析、予測にとどまらず、これからの定住や暮らしの土俵となる一次生活圏、200人から2,000人程度ごとの地域別戦略へ踏み込んでいくということが大事というふうに指摘されております。同じ市町村でも、地域ごとに大きく人口状況は異なってきます。画一的な取組の展開は無理があるので、例えば宮崎県美郷町では、24の行政区ごとに地区別戦略を3年かけて全地域で作成中というような事例もあります。 3点目は、地域ごとの環境容量に見合った適正な人口水準を長期的に考えていくということです。人口が多ければよいというものではありません。これからは、必ず循環型社会へ進化していく中で、地球にも地域にも無理をかけない人口規模と暮らしを求めていく必要があります。また、そういう時代に必ず入っていきます。江戸時代には土地の人口扶養力を図る石高という基準があり、1人1年を養う米の生産力を1石として村や藩の実力を定めてきました。21世紀の今日では、改めて自治体ごとに地区ごとに持続可能な環境容量を21世紀の石高として積み上げ、余裕があれば先着何名様という形で定住を受け入れるというような方式を考えていくべき、
まちづくりをつくり上げていくべきではないでしょうか。大町市は、多くの農山漁村と同様に、再生可能な資源やエネルギーの宝庫です。その力を内外に示し、自信を持って、ここで一緒に暮らそうというのろしを上げていく
まちづくりに着手していただきたいというふうに提言するわけですけれども、市長、このことについて、見解だけお願いします。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 御提案をいただきました。 まず1つは、私どもも、地区別といっても、やはりこれまで、昨年まで、長い間、合併前から過疎地域でありました八坂地区、美麻地区、これにつきましては、それぞれ地区ごとに過疎計画を取りまとめ、そして、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中でも重点的な移住定住の促進、また地域内の経済を盛んにするというような、そうしたお手当てをしてまいりました。その中でも一番は、やはり定住促進住宅、両方で合わせると、転用したものも含めると約30棟になっているはずなんですが、そこにはやはり毎回、何人もの、何倍にもなる競争率の中から子育て中の御家庭を中心にお住みいただく、そんな取組をしてきているところではございます。 そうした中で、この4月からは新しい過疎法の中で、全市が過疎指定を受けることになりました。やはり八坂地区、美麻地区で培った様々な地域振興策、また人口定住策については、全市的に取組を進めていくということについては、私自身もそのように考えるところでございます。 そうした中で、地区ごとに目標を定めるというのは、地域の事情が様々に複雑に絡み合っている中では、それができるかどうかは別として、やはり、地域地域でそれぞれ定住を図られる、あるいは地域地域で、その地域の日常生活を守ることができるような、美麻地区では小さな拠点という取組が始まっておりますし、また、市内でもコンパクトシティーの中で、中心市街地に、いわゆる人口を集中させるという発想ではなく、それぞれが独立しても、ちゃんと日常生活を営まれるような機能をしっかり施す、郊外の集落にも残す、そうした中で、その間を結ぶ、きちっとした交通網なども整備することによって、地域全体が均衡ある定住の場所となるような、そんな取組もスタートしております。 そうしたことから、本日、一般質問の中で様々な御提言をいただいた、そうした内容についても、しっかり私ども、先ほど申し上げましたように研究、また調査を加え、それを生かせるものは、ぜひこの地域でも生かしていきたい、このように考えるところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。
大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 今、大町市というのは本当に待ったなしのときだと思います。それと一番肝心なのは、職員、議員、それから市民、首長、全部一体となって取り組むという体制が最も大事な基本のところだと思います。ぜひ、その体制等も検討に入れながら、将来の大町のために、本当に力を合わせて
まちづくり、真剣に取り組んでいきたいというふうに思っています。ぜひ市長も、その決意で取り組んでいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) まず、議会と長の関係は、もちろん様々な点において議決いただく機関であり、また建設的な提言をいただくというのは議会基本条例の中にも生かされております。そうした中で、それが実効性のあるものにするために、議員各位の、もちろん議場での議論も通じて、あるいは様々な審議会などに御参画いただくことによって、いろんな面で議会の皆さんのお声を反映していただくよう、私どもも努めてまいりますし、また、議員各位にもそのようにお願い申し上げたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) よろしいですか。 以上で、
大和幸久議員の質問は終了をいたしました。 ここで、11時5分まで休憩といたします。
△休憩 午前10時50分
△再開 午前11時05分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第7位、中村直人議員の質問通告は2項目です。中村直人議員の質問を許します。中村直人議員。(拍手) 〔1番(中村直人君)登壇〕
◆1番(中村直人君) 政友クラブの中村直人です。 今回の質問は、大項目で2点、最初に、
ウィズコロナ時代の観光施策について、次に、
山岳文化都市の強みを活かす施策についてです。 コロナ禍の中で、ずっと苦しい状況だった観光分野ですが、夏の観光シーズンを前に少し明るいニュースも聞こえてくるようになりました。当市でも、また全国的にもワクチン接種が進み、長野県が出している病床逼迫率も20%前後で安定しています。また、政府から、屋外ではマスクを外してもよいという指針が示されたことも、少しずつではありますが、我が国におけるコロナ禍の状況が改善していることを示していると思います。 無論、気を緩めることなく感染対策も必要です。むしろ、観光需要の回復と感染対策の両立は相乗効果を生むようになってきていると思います。実際に民間の観光会社などへのアンケートを見ますと、当然のことではありますが、感染対策をしっかりした観光地へ行きたいというニーズが大きい結果が出ています。また、国内観光を求める答えも非常に多い傾向であり、最大の行きたい場所は温泉という結果もここ数年の傾向です。さらに言いますと、屋外でのレジャーを求める声も多く、アウトドアや自然を満喫する旅をコロナ後にという方も非常に多い結果となっております。このようなニーズを満たせる観光地がどこにあるのか。信濃大町です。 ということで、観光ニーズを踏まえ、現在の市の観光施策、感染対策の取組、そして、これからのシーズンに向けた観光施策をお聞きいたします。 これで1つ目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員の質問に対する答弁を求めます。
産業観光部長。 〔
産業観光部長(駒澤 晃君)登壇〕
◎
産業観光部長(駒澤晃君) コロナ対応での市の観光施策等について、順次お答えいたします。 コロナの影響により観光客が激減する中、これまで当市では観光施策として、国や県の支援事業に併せ、市独自の宿泊キャンペーンや満喫クーポンの発行等に継続して取り組むとともに、貸切バスツアーへの助成やバス事業者への支援金の支給に加え、スキー教室の予約が軒並みキャンセルされるなど大きな打撃を受けた市内スキー場へのリフト券割引キャンペーンなどを実施してまいりました。 また、新たな観光資源の発掘や磨き上げでは、長期滞在や周遊を促し消費を喚起することを目的に、関電トロリーバスの改修・保存と活用を図ったほか、レトロなボンネットバスを活用した周遊バスの運行を行っております。このほか、Wi-Fi環境の整備や多言語案内板の設置など、アフターコロナのインバウンドと国内観光客の回復を見据えた、ストレスなく町歩きができる環境の整備を進めております。感染対策の取組としましては、市内各事業者に対し、業種ごとの感染対策ガイドラインの遵守への啓発活動や、万一に備え、患者搬送用の特殊車両を活用した受診支援体制を構築いたしました。 今後の観光施策につきましては、来年が黒部ダムの竣工60周年に当たることを踏まえ、このプレ事業として、ウェブを活用した割引切符の販売や、第2弾となりますスイーツプロジェクト2022などを実施し、誘客に努めてまいります。また、市の強みであります水を柱に、新たなSDGs学習旅行の商品造成を行い、学習旅行の誘客にも官民協働して取り組んでまいります。 今後も、コロナの感染状況を踏まえつつ、柔軟かつ効果的な誘客に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) 本当に事業者の皆様、コロナ禍の中でじっと耐える、それを支えるような施策を打ち続けてきたこと、本当に評価したいと思います。また、レトロなバス、新しい大町のビジョンを示していったりとか、あとウェブの使用、SDGsなど新しい取組始まっていること、期待しております。 さて、次の質問です。 今回、観光関係者にお話を伺ってまいりました。先ほど答弁の中にあった宿泊キャンペーンだけではなく、とくとく交通チケットの売上げがとてもよく、需要喚起につながっているという声がありました。財源をどうするかという課題はあるんですが、そういった声がある中で、追加での発行は検討できませんか。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) とくとくタクシーチケットの追加発行についてお答えをいたします。 とくとくタクシーチケットは、観光誘客や滞在周遊型観光等を推進することを目的として、本年4月18日から、市内のタクシー会社で利用可能な5,000円分のタクシーチケットを3,000円で2,500冊を販売しております。販売開始から約1か月で予定数の半数を超える販売状況となっており、観光客に好評をいただいているものと受け止めております。 また、コロナ禍で影響を受けている観光事業者や交通事業者に対する支援策としても大きな効果があると考えております。今後の対応につきましては、チケット販売状況等を注視するとともに、新型コロナ感染の動向とその影響を視野に入れ検討を進めてまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) ぜひ検討を進めていただきたいと思います。 次に、今お話の中にもありましたが、大事な感染対策について、ひとつ踏み込んでお聞きしたいと思います。 当市は先年、国際芸術祭の開催において、感染対策特別チームを組織することで、1人の感染者も出さずにイベントを終えることができました。これは、当市で観光客を呼び込む上で大きな安心材料になると思っております。以前、一般質問でも申し上げましたが、芸術祭の感染対策チームの知見を今シーズンも、当市の感染対策に生かすことはできませんでしょうか。また、そのような体制を全市的に取っているという発信をすることで、当市にいらっしゃる観光客の皆様に安心していただけますし、また客足も増えると思うんですが、どう考えますか。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 芸術祭の感染対策の知見を観光に生かせないかとのお尋ねにお答えいたします。 議員から御紹介ありましたとおり、昨年の国際芸術祭で感染者を1人も出すことなく閉幕したことは、芸術祭の大きな成果の一つであり、この知見や経験を今後市内で行われるイベントなどに生かしていくことが大変重要と考えております。コロナをめぐる社会状況は、芸術祭の閉幕以降、既に様々に変化しておりますが、観光分野の業種ごとの感染ガイドラインの遵守の下に、芸術祭での経験を積極的に生かし、安全・安心な観光地としてお客様を受け入れていけるよう努めてまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆1番(中村直人君) そうですね。実際の取組のところでも知見が必要になると思いますし、発信のところでも、ぜひ、うまく活用していただきたいと思っております。 続いて、情報発信についての質問です。 当市は、インターネット上でも様々な発信チャンネルを持っております。昨日、降旗議員の一般的の答弁でも、信濃大町なびのアクセス数、年間130万ビューとお話がありましたが、インターネット上での発信力は高まっており、本当にすばらしいことだと思います。 また私、特に注目しているのは、山岳博物館の付属園のツイッターによる発信能力なんです。これは最近の投稿でも1万いいねを超えるものがあるんですが、かわいいライチョウの写真だとか動画とか、そういったもの、やはりインターネットでも動物コンテンツの人気さというのは本当あると思います。例えばなんですが、この1万人が見ているような動画投稿に、観光協会や大町の観光情報を載せられればいいと思うんです。もちろん、メインとなる付属園の情報発信を邪魔しない程度にはなると思うんですが、かなり強い発信媒体になってくるんではないかと思います。発信が、特に数千、数万という数で拡散されたとき、そこに大町市の観光情報とか、ぶら下がりで紹介するようなことはできないでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育次長。
◎教育次長(竹内紀雄君) ただいまの山岳博物館付属園のツイッターなどで観光情報を紹介できないかとのお尋ねにお答えいたします。 山岳博物館では、一昨年5月からツイッターを活用しまして情報発信を行っており、好評を得ております。議員御指摘のとおり、山岳博物館付属園のツイッターで観光情報などを併せて紹介することは、大町市全体の発信力の向上につながるものと考えられます。一方で、付属園のライチョウなどの情報、これを楽しみにしている利用者にとりましては、情報があまり多岐にわたりますと利用しにくくなる面も危惧されるところでございます。ツイッターで付属園などの情報を御覧になり大町市を訪れる観光客もおりますことから、現在のような四季折々の動物の表情など、限定した形の情報発信を進めることでファンを拡大することも有効だと考えてございます。 このため、現時点では、付属園のツイッターで直接的な観光情報など発信は考えておりませんが、しかし、関連する情報へのリツイートによるユーザー同士の情報の共有や拡散、こうした効果的な情報発信に結びつくよう、関係機関と連携して研究をしてまいりたいと思います。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) ぜひ、リツイートとか使って情報を共有していただければと思います。また、現場で発信している職員さん、若い方だと思うんですが、そういった方の感覚も取り入れながら、今やっていっていただきたいと思います。 このような情報発信の分野、様々な媒体を大町市は持っていまして、これを全体として効果を最大化するには、市の様々な発信媒体のアクセス数などを把握して、また、その分野を超えて情報発信を考えるような部署というのが必要じゃないかなとやっぱり思うんです。以前もちょっと触れたんですが、情報センターなどで、市の持っているネット上の情報発信媒体、また全体の状況を把握するような取組というのはできないでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 市が保有するインターネット上の情報発信媒体についてのお尋ねにお答えをいたします。 市では、インターネットを利用したホームページやメールによる情報発信に加え、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのSNSを活用した情報発信を行っております。また、本年度は、昨年取得しましたLINE公式アカウントツールにより、防災や観光、移住、医療、子育てなどのカテゴリー別に情報配信を進めてまいります。 情報発信につきましては、それぞれの情報を担当課がタイムリーに記事を掲載して、利用者からの問合せに対しましても対応しております。アクセス数につきましても、担当課が把握をしているという状況であります。
議員お尋ねの情報センターが発信媒体全体の状況を把握して、その結果に基づき新たな情報発信をすることにつきましては、先ほど教育委員会より御答弁申し上げましたとおり、メリット、デメリットがございますことから、これらも踏まえまして、今後さらに研究を進めてまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆1番(中村直人君) 一括して全てが同じカラーになってしまうというのは、やっぱり悪影響があると思うんですが、会議などでもいいと思うんです。横で、様々な情報発信、各課でやっている方が集まって一斉に情報発信について話し合うような、そういう機会を設けていただければうれしいです。 話題をちょっと変えまして、フィルムコミッションについてです。当市の木崎湖キャンプ場、青木湖などが、映画「流浪の月」の撮影現場として利用されました。広瀬すずさんや松坂桃李さんなど話題性を持った俳優さんたちが出演されており、このような撮影を受け入れた当市の観光課の仕事、本当にすばらしいなと思っております。一方で、映画公開直後である今、先数か月が、この映画ロケ地となったことを最も観光需要喚起につなげられる時期であって、これを利用しない手はないと思っております。観光協会にも発信を手伝っていただくなどして、ロケ地に対する観光誘導策を取るなどは検討できませんでしょうか。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) ロケ地への観光誘客についてのお尋ねにお答えをいたします。 映画「流浪の月」は、松本市を中心にロケが行われ、当市では青木湖においてロケが行われており、先月13日に全国公開され、多くの観客を動員していると報じられております。映画を御覧になった方がロケ地を訪れるという傾向は、実写映画に限らず、アニメなどで取り上げられた場所にも見られており、観光スポットとして多くの方がロケ地を訪れております。今回の映画作製について、松本市松本観光コンベンション協会では、青木湖も掲載した松本ロケ地マップを作成し、映画と連携した情報発信をしております。市といたしましては、市観光協会が運営する観光公式サイト、信濃大町なびやSNSを活用し、ロケ地を訪れる観光客が当市へも足を延ばしていただけるよう情報の提供に努めてまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) ぜひ、使っていただきたいと思います。パンフレットなども有効に使っていただいて、あと、青木湖、木崎湖、本当に、先ほどアニメの話がありましたが、UFOが沈んでいる、そして、佐清もいる、今回の話もあるということで、かなりフィルムコミッションとしては面白い地域になってきていると思うので、そういった切り口での発信も今後考えていただきたいと思います。 次の大項目の質問に移ります。 次、「
山岳文化都市」の強みを活かす施策、特に山と街を結ぶ取組についてお聞きしたいと思います。 昨日、
産業観光部長から、当市における観光の最大の課題は、黒部ダムに来ていた90万人をどうやって街に下ろしていくかという答弁がありましたが、私もそのとおりだと思っております。今回の私の質問の中心は山岳観光ですが、こちらについても、やはり山と街をどうつなげるか、広い大町市の中をどうやって観光客に回遊してもらうかという視点が重要だと考えております。先の質問で述べたように、観光客のアウトドア需要は非常に大きくなっております。また、街の中でも様々な動きが出てきております。ゆ~ぷるにはアウトドアショップができました。また、ユーチューブ動画と連携した山岳地図を製作した民間団体も市内にあります。また、街の中には山岳をテーマにしたカフェもできました。そして、今回質問で取り上げる
高瀬渓谷エリア、そして湯俣エリアのことは、NHK、そして民放でも番組と最近なっております。 順番に質問していきたいと思いますが、これらの山岳観光の盛り上がりの基礎は、当市の山岳文化の担い手である山小屋さんたちです。この山小屋もコロナ禍の中で大変な苦境に陥りました。コロナ禍初期には1年余あまりの休業を余儀なくされ、また、営業を開始した後も、本来は繁忙期にたくさんのお客さんを集中的に受け入れる形となる山小屋ですが、感染対策のため、それができなくなりました。間違いなく特に大きなダメージがあった業種の一つだと思います。私が山小屋経営者から聞いた話ですと、去年の売上げは例年の3割程度だったそうです。まずは、そんな中で、市はどうやって山小屋をサポートしてきたのか、山小屋の皆さんから話を聞く場をどうやって用意してきたのかお尋ねいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
産業観光部長。 〔
産業観光部長(駒澤 晃君)登壇〕
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 市のこれまでの山小屋の支援と意見を聞く場についてのお尋ねにお答えいたします。 山小屋は、宿泊や休憩、救助活動等の登山の拠点としての機能と、登山道の安全を維持管理する役割を担っていただき、山小屋を維持運営する方々の相当な労力に支えられてきております。改めて、これまでの山小屋経営の皆様の御努力に感謝申し上げ、敬意を表するところでございます。 近年の山小屋経営は、後継者や従業員の人材確保、豪雨など異常気象の発生などに加え、新型コロナの影響を受け、より深刻で厳しい経営環境となっております。このような状況を踏まえ、一昨年は、県の
新型コロナウイルス拡大防止支援金に上乗せする市独自の支援金事業を実施したほか、昨年も、県が創設した山小屋公益的機能維持等支援金に上乗せし、市独自に1事業者に30万円を支給する大町市
新型コロナウイルス感染症対策山小屋支援事業を実施いたしました。 また、山小屋の皆さんから意見を聞く場としましては、年に数回、山小屋経営者会議を開催し、山小屋関係者と様々な課題につきまして意見交換を行うとともに、県や市で実施する登山道の改修に係る助成事業について情報提供を行っております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) 大町独自の支援策もあったことは本当によかったと思います。経営の支援も重要ですが、おっしゃっていただいたように、山小屋関係者から、登山道整備などにも大きな負担があるという話を聞いております。今後も現場の声をお聞きしながら、丁寧な支援を継続していっていただきたいと思います。 さて、このように厳しい山小屋経営の中で、本当にもうやっていけないかもしれないと考える山小屋の方も出てきているとお聞きしています。これは、
山岳文化都市である大町市の危機でもあると思います。一方で、登山好きの方にお話をお伺いしますと、立山や、次の項目で取り上げる上高地などは、登山口にお客さんがごった返しているような状況が続いているということです。つまり、登山という目的を求める観光客の数というのは全国的には需要が過多であり、うまく受皿さえつくれば、当市の山岳観光を盛り上げることはできると思うんです。 そこでまず必要なのが、当市を山のまちとして分かりやすく観光客にもっとより認知してもらうことだと思います。提案なんですが、観光協会の看板の横に、登山インフォメーションセンターという目立つ看板など掲げて、通年で山の案内をできる体制をとれないでしょうか。今回お聞きしたんですが、そもそも観光協会の始まりは、登山案内人の方などが主に山の情報を発信するために駅前に窓口をつくったことにあるということで、原点回帰とも言えるのではないんでしょうか。考えを伺います。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 観光協会に登山インフォメーションセンターの看板を掲げることができないかとのお尋ねにお答えいたします。 市観光協会における登山案内は、昨年度489件あり、その内容は、山登りの初歩的な内容から、冬山に登山する上級者まで多岐にわたっております。そのため、専門的な問合せには大町登山案内人組合や、内容によっては専門知識を持つ組合員にも個別に対応をいただいているところでございます。議員御提案の、市観光協会において登山インフォメーションセンターとしての機能を発揮するには、専門知識を有するスタッフが常駐することが望ましいと考えられ、登山案内人組合や県山岳総合センター等の関係団体とも意見交換し、登山者への情報提供の在り方や仕組みについて研究してまいりたいと思います。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) ぜひ、山案内組合さんなどの専門人材との連携を深めて取り組んでいっていただきたいと思います。 次の質問です。 今回、観光協会さんのやっている信濃大町なび中心に、大町市の観光情報発信媒体、いろいろ見せていただきました。大町なびは、情報がよくまとまっていて、見た目もかわいくて、本当にいいホームページだと思います。一方で、情報の集積、進んでいることから、例えば山岳情報にアクセスしたいというときには、欲しい情報までたどり着くのに若干時間がかかるという課題も感じました。大町市にとって山岳観光は特別な位置を占めていると私は思っておりまして、登山情報などは別にホームページがあってもいいんじゃないかなと思います。山岳観光については、情報を切り分けして、別のページを立ち上げられませんでしょうか。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 山岳観光の情報を、観光協会のホームページとは別なページとして立ち上げられないかとの御質問にお答えします。 登山情報につきましては、市観光協会のホームページ、信濃大町なびの山を楽しむという特集ページにおいて、モデルコースの紹介をはじめ、山小屋、登山口などの情報を掲載しております。信濃大町なびは、観光協会の宣伝誘致部会において、掲載内容や情報の伝え方などについて随時検討を加えており、昨年度の閲覧回数は130万回を超え、前年より18万件増加しております。 議員御提案の、山岳観光の情報を掲載するため別の新たなサイトを立ち上げることにつきましては、山岳観光情報として特化するメリットがある一方で、新たにそのサイトへの誘導や認知度を上げるという必要があり、費用や労力、時間を要するという課題もあります。 このような状況を踏まえ、現在の山を楽しむ特集ページについて、サイトを運営する観光協会をはじめ、関係団体や山小屋の皆さん等と情報や課題を共有し、山岳観光の情報提供をする手段として充実した内容となるよう検討してまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありますか。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) そうですね、確かにデメリットもありまして、ただ、トップページから新しいページに人員を流したりとかということもできますし、デメリット、メリット、ちょっと見ながら、会議も定期的に行っているということで、引き続き使いやすいホームページ、観光客が使いやすいホームページにしていっていただきたいと思います。 次の質問も、関係者の方にお話を聞く中で出てきたアイデアなんです。都会の登山愛好家の方々が、仕事の合間に週末山に行きたいなと考えながら、ホームページを何度も更新して見たりしているわけです。こういう方々に当市に来てもらうためには、タイムリーな情報の発信というのは不可欠だと思います。そこで、協力してもらえる山小屋さんにライブカメラの設置をお願いするというのはどうでしょうか。大町なびのトップページなどに、毎日変化する今日の山の景色が掲載されれば、当市の観光情報にアクセスを増やすコンテンツにもなると思うのですが、どう考えますか。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 山小屋におけるネット環境の整備に対する支援についてのお尋ねにお答えをいたします。 山の画像をリアルタイムで発信するためには、無線LAN等の通信環境の整備に加え、自然保護の観点から、設置場所の選定や電源の確保手段など様々な課題があります。また、既にライブ中継を行っている他の地区の山小屋におきましても、運用面において課題があるとお聞きしております。市といたしましては、まず、山小屋経営の皆様の御意向や意見を伺い、課題を整理するなど議論を深めてまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆1番(中村直人君) 大事なのはタイムリーな情報が発信されているということなので、本当にスマホで撮っていただいてということでもいいので、その辺、山案内人の方々など協力いただいて、ちょくちょく山の写真を送ってもらったりとか、そういう体制でも組んでいただければと願っております。 街から山へどうやって人を送るかという話、今までしてきましたが、次は、山から街への人の流れについて質問したいと思います。 私は、この山と街をつなぐというテーマで質問しようと思ったのは、もちろん、街にもにぎわいや観光効果が生まれることを望んでおるからです。山から下りてきて、町なかでクラフトビールをはじめとした地元のお酒を飲む、そして、ゆっくり温泉につかって1泊泊まっていくと、こういった観光客を増やすためにどうするべきか考えるということが大事だと思っています。西の北アルプス、街、そして東山の山岳博物館と、当市の山を目的に訪れた観光客が東西を広く回遊する仕組みをつくるべきだと考えております。 そう考えますと、例えば、町なかに1か所、登山客が車を止められる駐車場と高速のバスのターミナルを用意しまして、そこから各登山口を回るようなバスを出す形が効率的なんじゃないかなと思います。大きな話なんですが、経済効果もある場所として私が思いつくのは北高跡地、あとは駅前の元アップルランド、それと、あるいは温泉郷の森林劇場跡などです。どこも、土地の取得のハードルや整備費用などのコストも大きなものになるとは思うので、すぐ明確な返事がもらえるようなことではないと思ってはおりますが、山のまちとして大町市、ブランディングしていく中で、そのぐらい大きな決断があってもいいのではないかなと思っております。これは熱意ある市の職員の方からお聞きしたんですが、観光客は行き先を、市の単位ではなく、長野県内のエリアで観光地を考えてやってくると。そうすると、バスターミナルは広域観光の拠点となることも期待できると思います。このような街と山をつなぐバスターミナルやカーポートをつくることについて、どう考えますでしょうか。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 山と街をつなぐバスターミナルの拠点整備についての御質問にお答えをいたします。 当市と首都圏や関西圏を結ぶ特急バスのほか、扇沢行きの路線バス、ふれあいバスやぐるりん号、雷鳥ライナーなどが停車するバスターミナルの機能は、山と街をつなぐ観点からも重要な検討課題だと認識をしております。バスターミナルの整備には、立地場所やバス事業者等の関係機関との調整、駐車場スペースの確保など多くの課題がありますことから、短期間にこれを実現することは困難な状況と考えております。 また、登山口における駐車場スペースの確保は、地勢的な制約もあり大きな課題であり、実現性の観点からも研究していきたいと考えております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆1番(中村直人君) ぜひ、検討していっていただきたいと思います。現実的には、駅前の整備とか、そういったことからということになるとは思うんですが、今後の
まちづくりを考える中で検討していっていただければと思います。 さて、次の項目の質問に移ります。
高瀬渓谷エリアを上高地のように盛り上げるにはです。 ちょっとこれ、最後、具体的な名前を出して、ぎゅっとエリアを絞ったのは、私はこの4月、5月と、
高瀬渓谷エリアの観光振興についての勉強会に参加していました。多くの登山家から最後の秘境という認識をされている北アルプスの裏銀座ルートなどを含むこの地域は、観光地として大きな潜在力を秘めていると言われています。実際に5回あった勉強会では、環境省の方、そして国会議員、そして山岳観光のプロの方、地元の山小屋の方々など、様々な切り口から、この地域の持つ可能性についてお話を伺うことができました。また、トレイルランのコースとしての可能性もあるということで、この登山道の復活のために、上田瑠偉選手も募金活動を行うというお話もあるということで、また、最近、民間で行っているクラウドファンディングでは、僅か数日で1,000万円を超える寄附が集まっています。非常に注目の高いエリアだと思います。 これらの事実から考えても、この
高瀬渓谷エリアは、上高地エリアに負けないぐらいの力を持っていると私は感じています。そこでまず、市として、この
高瀬渓谷エリアについてどう考えるか、エリアを盛り上げていくことについてどう考えるか、お聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
産業観光部長。 〔
産業観光部長(駒澤 晃君)登壇〕
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 市として、
高瀬渓谷エリアをどのように考えるかとのお尋ねにお答えいたします。 高瀬渓谷には、日本一の規模を誇る高瀬ダムをはじめとする3つのダムと葛温泉があり、特に紅葉は県内有数の名所として有名であります。また、高瀬ダム上流エリアには、北アルプスの残された秘境とも呼ばれる北アルプス裏銀座の登山口であるとともに、国の天然記念物噴湯丘や温泉、エメラルドグリーンの川の色、初心者でも楽しめるなだらかなトレッキングルートなどがあり、非常に観光地としてのポテンシャルが高いエリアと考えております。 こうした様々な魅力がある高瀬川渓谷に、さらに多くの方々に来訪いただくためには、自然環境の維持と観光地としての機能とのバランスを保ちながら、登山道やつり橋の再建、市街地からの二次交通の整備などが課題であります。市といたしましては、国や県をはじめ、ダム管理者であります東京電力、山小屋経営者、交通事業者など、関係団体が連携して協力体制を構築し、協議していくことが不可欠と考えております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) まさに、今言っていただいたような様々な課題がある中で、また、さっき言ったように、環境省の方も来ていただいて、いろんなところがつながって具体的な話が進んでいく、そういう時期だと思いますので、これからもぜひ着目していただきたいと思っております。 細かくお聞きしていきたいんですが、この
高瀬渓谷エリアの奥へ進むための高瀬川管理用道路七倉ゲートでは、ゲートを自動化すると聞きました。自動化することになると、このゲートの開閉時間が変わって、これは以前から登山者の方々は早く入りたいとか、ニーズがあったと思うんですが、これ変わるかどうか今分かりますか。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 高瀬川管理用道路七倉ゲートの自動化に伴うゲートの開閉時間の変更についてのお尋ねにお答えをいたします。 七倉ゲートの開閉時間につきましては、東京電力と大町市が締結しております協定書及び通行規則で定められており、本年工事を予定しております七倉ゲートの自動化に伴う開閉時間については、協定書の見直しと併せ、協議を行うこととしております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) その見直しというのは、どのぐらいで行うというのは決まっているんですか。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 今現在、協議書の見直しは進めているところでありますが、できるだけ早い時期に決定をしたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 中村直人議員。
◆1番(中村直人君) 分かりました、ありがとうございます。 このエリア振興の大前提としての登山整備ですが、先ほどおっしゃっていただいたように、途中の橋が落ちるかとか、個人として取り組むには相当大変な状況だと聞いています。これ、ゲートに登山道整備のための募金箱などを取り付けてもいいんじゃないかなという、ちょっと安直な話なんですが、あるいは、せっかくゲートを電子化しますので、そこで電子決済で寄附できるような形、技術的に難しいかお聞きしたいと思います。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 登山道整備の募金についてのお尋ねにお答えいたします。 登山道整備の募金につきましては、昨年から北アルプス南部地域が実証実験を行っております。市としましては、この実証実験の状況を注視するとともに、当地域の募金実施の可能性や方法につきまして、国や県をはじめ、山小屋経営者の皆様と協議する中で検討してまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。
◆1番(中村直人君) 先ほど、クラウドファンディングの話をしましたが、何か多くの登山者の方に聞くと、自分たちの登っているところ、ぜひお金を払いたいとむしろ思っている方々も結構いるらしくて、そういった機会をぜひ創出していただければと思っております。 最後に、市長に山岳観光について、考えをお聞きしたいと思います。 私は今、大町市、一つの転換点にあるということも思っていまして、これは移住においても観光においても、この少子化社会の中で当市が選ばれる町となっていくためには、やっぱり当市独自の強みを磨いていくことが最優先だと思うんです。それはやはり水や山だと思います。それは、もちろん努力して価値をつくっていくことは全ての自治体において重要なんですが、どれだけ努力しても、ほかの自治体がやっぱり得られないものを強みとして考えていくというのが、戦略上も正しいことだと思います。質問の中で触れてきましたように、山岳振興に向け、民間や市民の動きが今高まって盛り上がっております。市としても、こういった分野に注力していくことは官民連携の相乗効果が今生まれることだと思います。このような、昨今の地域の方々、民間の動きも踏まえまして、市長の山岳文化、あるいは山岳観光への考えをお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 山岳文化、あるいは山岳観光についての私の考えでございます。 大町市の山との関わりは歴史が古く、大正6年に我が国で初めて設立されました山案内人の組織、大町登山案内人組合は、100年以上にわたり連綿と活動を継続し、山岳ガイドや登山道の整備などに大変御尽力をいただいてきております。また、平成14年には、大町市山岳博物館創立50周年を記念しまして
山岳文化都市を宣言し、先人たちが守り育ててきた山岳文化を受け継ぎ、かけがえのない美しく豊かな自然を次の世代に伝えることが市民の責務と考え、全国唯一の山岳博物館を拠点に山岳文化の振興に努めるとともに、山岳観光を観光振興の基軸に据え取り組んでまいりました。 今月4日には、厳しい冬を乗り越え春を迎える喜びに包まれる市民にとって、山を最も身近に感じる雪形をテーマとして、第21回北アルプス雪形祭りが開催されます。北アルプスの麓に生まれ、育ち、そしてここに暮らす市民の皆さんは、長い歴史を通じて山岳がもたらす豊かな自然の恵みを様々に受けながら、自然と人が共生する独自の山岳文化を育んでまいりました。さらに最近、このような環境に引き寄せられたかのように、市街地中央通りに三俣山荘図書室が、また、ゆ~ぷる木崎湖にはアウトドアショップが生まれ、登山愛好家をはじめアウトドア愛好者が集まり、山と人、山と街を結ぶ情報発信の拠点となっております。 その一方で、山岳における自然保護や山岳観光を取り巻く環境は新型コロナの直撃を受け、とりわけ登山の拠点であります山小屋は、感染防止対策を講ずるため、収容規模の大幅な抑制や完全予約制の導入を余儀なくされ、存立に関わる厳しい経営環境に置かれております。登山者の安全を確保する登山道の整備や維持管理は山小屋の皆様の御尽力に支えられており、将来にわたる安全な山岳環境の維持に重大な懸念が生じております。 山岳観光は当市の観光振興の核を成すものであり、
山岳文化都市宣言の理念の下で市民や事業者、行政等が密接に連携を図り、協働し、この困難な時代の山をめぐる様々な課題に的確に対応し、引き続き山岳文化のさらなる創造と山岳観光の振興に力を尽くしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。中村直人議員。残り27秒です。
◆1番(中村直人君) 質問ではないんですが、本当に守り受け継いでいただいた、その山岳文化、ぜひ生かして頑張っていきたいと私も思っております。ぜひ、これからも山岳振興に尽力いただけるようお願いいたします。 これで質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 以上で、中村直人議員の質問は終了をいたしました。 ここで、昼食のため、1時ちょうどまで休憩といたします。
△休憩 午前11時48分
△再開 午後1時00分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第8位、神社正幸議員の質問通告は2項目です。神社正幸議員の質問を許します。神社正幸議員。(拍手) 〔6番(神社正幸君)登壇〕
◆6番(神社正幸君) 無会派の神社正幸です。 このたびは大きく2点、市営住宅建設計画についてとジェンダー平等など
多様性社会についての質問をさせていただきます。 初めに、市営住宅(新設団地)建設計画について質問いたします。 私は、前回の3月議会において市営住宅についての質問をしました。また、過去数回にわたって
北高跡地利用の質問をしてきました。それは、大町市にとって将来の発展、存続に関わる大きな問題と捉えているからであります。 さて、3月の全員協議会で新たな市営住宅建設候補地として、25か所の中から優先交渉先として北高跡地の選定が発表されました。北高跡地の7分の1、5,000平米を利用しての建設計画とのことであります。 市営住宅建設は、令和6年をめどに完成予定の施策であり、庁内検討委員会で建設候補地を検討してきたとの報告でありました。庁内検討委員会ですから、委員は全て市職員のみの構成であります。経過として市民の参加がなく、まるで政府の行う閣議決定のように思えました。それでよいのでしょうか。庁内の合意形成ではなく、市民との合意ではないでしょうか。部長は、3月の一般質問にあくまでも決定事項ではないと強調していましたが、私としても市民としても疑問が残る報告書であると思います。 疑問点は、候補地25か所から北高跡地に絞られた経緯が見えないということであります。以下、疑問点を列挙しますので、お答えください。 全員協議会で建設課より結果報告があったが、中身が見えてこないこと。市民も知らない方が多いという疑問であります。 2に、庁内検討委員会でどのような議論がされたのか分からないことであります。 3つ目として、用地交渉で一番取得しやすい簡単な場所を選んだのではないかという疑問であります。 4つ目は、最初から北高跡地ありきの検討ではなかったか。いずれにしろ、市民に説明責任を果たしていない。 以上について、順にお答えください。 これで1回目の質問とさせていただきます。
○議長(二條孝夫君) 神社正幸議員の質問に対する答弁を求めます。
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) 旧大町北高等学校跡地への市営住宅団地の建設計画に関する5つの御質問に、順次お答えいたします。 市営住宅の新設計画につきましては、平成28年に市が策定した市営住宅等整備計画に基づき、老朽化した住宅の用途を廃止し、令和6年度をめどに中心市街地及びその周辺地域へ約50戸の住宅を建設するものでございます。 まず初めに、中身が見えず市民も知らないとの御指摘でございます。 これについては、候補地の選定に向けた検討は、令和2年度に立ち上げた庁内関係課長で組織する検討委員会で行ったところであり、その検討経過につきましては、市議会全員協議会において段階ごとにこれまで4回御報告をしてまいりました。 報告に関しましては、候補地に民有地も含まれておりましたことから、今後の用地取得への影響等も考慮し、具体的な名称や位置等を伏せざるを得なかった点につきまして、御理解をいただきたいと存じます。 次に、検討委員会での議論につきましては、これまで6回にわたる検討委員会において、主に住宅の用途や規模、また、構造をはじめ候補地の選定範囲や基本条件、評価項目などの検討を行ったところであります。 また、大町市中心市街地活性化基本計画に定める中心市街地の範囲並びにその外郭道路等に面した土地の中から、あらかじめ検討し、設定したプロセスに基づきまして、25か所の候補地を抽出し、さらに総合評価により6か所に絞り込み、最終的にこの中から優先交渉先を旧北高跡地に選定をいたしました。 次に、旧北高跡地の場所の選定についてのお尋ねにつきましては、前段までの総合評価では利便性や安全性などの住みやすさの観点とともに、経済性や敷地面積、用地確保の難易度などについて総合的かつ客観的に評価を行ったものであり、議員御指摘の用地交渉の容易性、あるいは北高跡地ありきといった理由のみで選定したものではないことを御理解いただきたいと存じます。 最後に、市民への説明についてのお尋ねでございます。 現在は、新設団地建設の候補地を旧北高跡地とすることを市として決定をした段階であり、県の同意を含め建設地として確定したわけではないことを御理解いただきたいと存じます。その上で今後の県との調整の結果、用地取得の見込みが固まった段階で、その同意の内容を含め、議会に御報告申し上げ、市民への説明を行い、説明責任を果たしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 前回と同じような答弁であります。私が一番重要視したいのは、市民に検討委員会に参加して、市民の意見やら、そういうことを広くくみ上げていなかったという点であります。これに対してはどうでしょうか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 現在までの検討段階において、市民の皆様の意見を聞いて、それをこの検討にくみ上げていなかったというような御指摘の御質問かと思います。 この検討、市議会全員協議会の中でも当初説明したかと思いますけれども、選定に当たっては地形測量図、いわゆる地図、それからまた航空写真、そういったものに基づいて、その土地所有者との接点がなく、そういったあくまで机上の中で選定をしてきた経過でございます。 あくまで25か所抽出した候補地ということで、先ほどもちょっと御理解お願いをしたんですけれども、その中には民有地が含まれるということもありまして、あくまで庁内の中での検討にとどめているということでございます。ただ、これが先に進んでいきまして、いよいよその相手方との合意形成の段階になった段階では、やはり市民の皆様の意見をお聞きしていく場所、場面というものが必要になってくるかと思います。そういう形のプロセスを踏んできたということを重ねて御理解いただきたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 過去のことは仕方がありませんので、今後の方法について考慮していきたいと期待しております。 次に、入居者、特に高齢者、低所得者にとって北高跡地は果たしてベストなのか。病院、スーパー、商店、駅、学校までの距離、景観、降雪状況、防災などの考慮がされているのか。単純にスーパーが撤退したら問題が起きるわけであります。他の候補地との比較結果を知らされていない、単にコンパクトシティーを優先したのではないか。以上の点についてお答えください。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) 候補地選定における評価項目等に関する3点の御質問に、順次お答えをいたします。 初めに、利便施設等への距離等を考慮しているかとのお尋ねにつきましては、先ほどの答弁とも重複いたしますが、選定段階における総合評価におきまして、利便性や安全性などの住みやすさの観点から、公共交通や義務教育施設、また医療機関、食料品店、周辺緑地などへのアクセス性をはじめ、交通安全や騒音、振動などの住環境、さらには河川浸水区域や指定避難場所等の防災面の評価とともに、立地適正化計画に定めた誘導区域の立地を考慮し、将来的に様々な都市機能との連携につきましても評価に加えております。 次に、他の候補地との比較結果につきましては、結果の公表により、先ほど御答弁申し上げました地権者への御迷惑、あるいは今後の交渉への影響も配慮しまして、土地の現況の情報までにとどめたところでございます。 また、コンパクトシティー施策のみを優先したのではないかとの御指摘につきましては、あくまで総合評価の結果であることを改めて御理解いただきたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 市全体の
まちづくりの観点から、私は今までに中心市街地活性化の最後のチャンスであると言ってきました。将来50年、100年の体系を考えて検討しているのかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) 50年後の将来を見据えた
まちづくりの観点からの検討かとの御質問にお答えをいたします。 1日目の総務産業委員会代表質問の答弁でもお答えをいたしましたとおり、現在、中心市街地の約2割が空き家であることが判明しております。また、国立社会保障・人口問題研究所の推計値では、2045年の当市の人口は1万7,000人を下回るとしており、50年後の2072年にはさらに大幅な減少が見込まれております。 このような背景に加え、医療や福祉、商業などの生活サービスを提供する、いわゆる都市機能施設を維持するためには一定以上の人口密度が必要でありますことから、市の立地適正化計画においては、現状の人口密度を維持することを目標に居住誘導を図ることとしております。今回、市営住宅を中心市街地に建設することにより、この目標とする人口密度の維持に寄与するものと見込んでおります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君)
北高跡地利用は、市存続の重大な懸案であります。全国的には数千校を大きく超える廃校があり、各自治体は苦慮しております。また、すばらしいプランで成功例も報道されています。 私は、北高跡地は複数のIT企業とか企業の研究機関、大学のサテライトキャンパスなど、コロナ禍においては現在、新宿と武蔵村山市にある国立感染症研究機関の誘致なども選択肢にあると考えております。知名度、人口増を望める施策を行政と市民の連携で実現を願っているのですが、敷地を活用して住宅だけでなく複合施設的は考えられないのでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) 北高跡地の活用に向け、広く意見を聞き、考えるべきではないかとの御質問にお答えをいたします。 平成29年の12月定例会におきまして、議員からは、北高の跡地利用は当市の発展に寄与、また貢献する重要かつ大きな課題として、市が積極的に市民を巻き込み、地域資源を生かす民間企業等を誘致し、中心市街地の活性化をはじめとした大町再生を図るべきとの御提言をいただいております。その際、市からは、県における活用策の検討や財産処分の方針が明らかになった段階で、慎重に見極め、検討していくと御答弁申し上げたところでございます。 市営住宅の新設は、市営住宅の再編を進める上で喫緊の課題であり、また、跡地を所管する県教育委員会では、昨年6月より北高跡地の利活用に関するサウンディング型市場調査を実施し、地域の活性化に貢献する跡地活用のアイデアを全国から募集したところ、複数の提案があったものの、企業の立地についての提案はなかったと聞いております。 北高跡地は中心市街地に立地し、かつ、まとまった面積を有しており、市営住宅のみならず、ただいまお話のありました複合住宅等を含め、様々な活用の可能性がありますことから、今後、県との調整と並行し、庁内関係部局との意見調整を図りながら、敷地全体の利活用の方向性についても検討を進めることといたします。また、今後の県の考えや状況を見極めた中で、市民の皆様の御意見につきましても伺う機会をつくってまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 北高跡地は、100年を超える南北安曇野の女子の最高学府として歴史を刻んできた土地であります。思いの凝縮された空間です。それだけに、広く市民を交えてのワークショップなどで市民や有識者の考えを聞くべきだと思います。これからそのようなことをしていただきたいと考えております。吉田松陰が弟子に語った言葉に、「地に離れて人はなく、人離れて事はなし」と言ったそうです。その土地の歴史を学ぶことで、未来が見えてくると私は考えております。 先ほど部長が答弁の中で、既に県はサウンディング調査をして、これといった案が出ていなかったと言われましたが、ということは大町の計画に沿って県は優先的にやるというように理解してよろしいのでしょうか。それに全敷地の7分の1の利用の提示で、県は全体の敷地を移管を承諾することができるのでしょうか。そして、またそれらは無償で譲渡が可能なんでしょうか。3つほどお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 失礼しました。北高跡地の移管、譲渡についての御質問にお答えいたします。 議員御指摘のように、現在、新設団地に必要とする用地は北高跡地全体の7分の1、これに当たる約5,000平米相当と想定をしております。それ以外の利用方法に関しましては、具体的な検討には至っていない状況にあります。 また現在、現段階におきまして北高跡地の移管の範囲や方法、また取得する場合に際しての具体的な条件などは、県より示されておりません。今後、協議を進める中で県の考えをしっかりと把握し、必要な検討を進めてまいりたいと存じます。 それからまた、先ほど来ありました県のサウンディング調査、これは県がこのちょっと前の段階で行ったいわゆる対話型の調査でございます。もちろん今現在、敷地は今もこれまでも県有地ということで県が管理を行ってきて、それから跡地についても県のほうでしっかりと検討を進めてきた経過というふうに理解をしております。その上で、対話型のこのサウンディング調査を使いまして、やはりサウンディング調査の実施要領を拝見しますと、やはり地域の活性化に寄与するための活動をしている、またそういった連携ができる民間の活力を使いたいというような案内の中で、サウンディング調査をしたというような形になっております。 そういった中では、先ほど私、答弁しましたとおり、民間の主だった主体的に北高と連携していくよというようなものはなかったというふうに聞いておりますけれども、まだ市を優先してといいますか、市の考えに基づいてやっていくという段階ではないかと思います。これはまた、市のこの今の市営住宅の考えも含めて、サウンディングの調査といいますか、そういった中で検討を進めていただけるということで理解をしているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) どうぞ。
◎
建設水道部長(古平隆一君) すみません、失礼いたしました。 それから、無償譲渡というようなことに関しましては、まだ今、県のほうとこれから調整段階ということになります。また、そういった跡地の活用が住宅団地で我々の計画で、県のほうで進めていただけるのかというような具体的な段階になって、そのような具体的なお話になろうかと思いますので、今のところはまだそういったお話に至っていないということにつきまして御理解いただきたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 県の資産であるわけでありますが、全体の7分の1の利用計画の提示で、県が全体の敷地を移管することを承諾することができるのでしょうか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 全体の7分の1の面積の利活用の事業計画で、県のほうで承諾するのかというような御質問かと思います。 今現在、県のほうで示した、実際もう終わっているんですが、サウンディング調査の実施要綱、これを見ますと、旧大町北高等学校の利活用について、県としては地域の活性化に貢献できる活用のアイデアを求めています。その次に、部分的な活用を含めて御検討くださいというふうに入っております。そういった部分の中では、我々の計画自体も県のほうでお話を聞き入れていただけるということに今、なっていますので、そういうことで理解をしています。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) いずれにしろ、私はまず7分の7の計画を最初につくって、そういうことで全体像を示してから7分の1の計画があるべきではないかと考えているのですけれども、どうでしょうか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 全体計画をまずは市としてもって進めていくべきではないかというような御質問かと思います。 確かに中心市街地にあれだけの土地を有する場所でございますので、中心市街地活性化のためには全体を使って進めていくというような御提言、非常に大事な部分かと思います。しかしながら、あれだけの面積を一気にやはり開発といいますか、整備をしていくということは、なかなか難しいというふうには建設部局としては考えております。 ただ、先ほど来お話申し上げていますとおり、やはり中心市街地の活性化のためには、現在取り組んでいる立地適正化計画に基づく誘導区域設定の中に人流、いわゆる人を誘導していく、こういったことが非常に急務であるというふうな考えの中で、それとまた市営住宅自体、これ施設全体も老朽化、そういったものも進む中で、早く住宅を住宅に困窮する皆様に提供していかなければならない、そういった使命もございます。 そういったものも踏まえまして、建設部局としてはまずは候補地、優先候補地として北高跡地ということで住宅施策進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 部長は今、喫緊の課題であると、住宅建設は。確かに私もそう思います。しかし、企画財政課の令和4年度から令和6年度に向けての実施計画には、公共住宅建設事業における予算はゼロ表示となっていますが、間に合うのでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 実施計画におきまして、公共住宅建設事業、予算が載っていないということだと思います。こちらのほうにつきましては、実施計画の中で事業の内容をこちらのほうには認めて搭載をしておりますが、事業費については、規模ですとかそういった細かいところが、場所もそうなんですけれども、決まっていないと、そういうことがありまして、予算上のその事業費というのは載せていないということであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) いずれにしろ、喫緊の課題というからには早めに市民の意見を聞いたり、まとめていって建設に着工していただきたいと私は思っておるんです。ぜひ市民の意見をまとめてやっていただきたいと思います。 最後に市長に伺います。 この施設利用は、選挙の争点にもなり得る大町の将来に関わる大きなテーマだと私は考えます。また、よりすばらしい跡地の活用方法が大町の発展に寄与したならば、将来の市民が牛越市政のレガシーとして語れると思うところであります。市長の全体の思いをお聞かせください。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。
◎市長(牛越徹君) 旧大町北高校の跡地について、私の思いはとのお尋ねでございます。 旧大町北高校は明治45年、高等女学校として開校以来、1世紀以上にわたり歴史と伝統を育み、平成28年3月に惜しまれつつも幕を閉じたところでございます。地域に親しまれ、深く愛された旧北高は、市民の皆様の様々な思い出が詰まった場所であり、昨年の北アルプス国際芸術祭ではアート作品の展示会場として、展示エリアとして、久しぶりにその門扉を開かれ、同校を巣立った多くの世代の皆様が再び集い、当時を懐かしむ和やかな風景をお見受けしたところでございます。このような皆様方がこの場で、この場所で紡いでこられた歩みに思いをはせ、その心情を心に留めながら、将来に残る有効な土地利用を考えなければならないと深く認識しております。 現在、市では少子高齢化の影響による人口や担い手の減少に伴う市街地の空洞化をはじめ、地域経済の低迷や、住宅をはじめ生活基盤となる様々なインフラ施設の老朽化など、様々な課題が山積しております。 これまでも議員から度々御提言をいただいておりますように、人口減少が進む中でまちを元気にしていくためには、移住促進などによる新たな人の交流を生み出し、働く場を創出することにより、人とまちを育んでいく取組がなお重要と考えております。 旧北高は、長い年月にわたり生徒たちの明るい声に包まれ、この地域を歌った早春賦が歌い継がれた学びやでもございます。私は、この跡地が将来にわたって、かつてのように人が集うにぎやかな場所であってほしいと心から願っておりますし、また、この思いは議員のお考えと共通のものと考えるところでございます。 こうした観点から、市としましては現在のところ、7分の1の市営住宅の用地として提案しておりますが、残る部分の在り方につきましても念頭に置きながら県と折衝に当たるため、跡地の様々な活用策につきまして、引き続き、まず庁内挙げて検討してまいりたいと存じます。 また、先ほど部長からも申し上げましたように、その方向が見えてきた段階では、必要に応じ、市民の皆様の御意見を伺う機会を設けることを検討したいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) これは私の考えなんですけれども、企業誘致とかそういうこともかなり北高跡地は可能性があると思うんですよ。そういうことを念頭に置いて、大町市で一番のトップセールスは市長なわけです。だから市長室を訪ねても、市長は企業誘致で出向いていると、そういう動いていく市長に期待しているんです。 それで大町市には、かなりの人脈が県外で活躍しております。そしてまた、活躍してふるさとに戻ってきた方もいます。そういった人脈を使って大町の思いを、100年の計を念頭に置いて、そういう企業の研究室なんかの誘致もトップセールスの市長がやってほしいと私は考えております。それについて。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 御提言をいただいております。 まず、この用地をどのような、先ほど人の集うにぎやかな場所にしたい、交流の場所にしたい、それには一つ一つには経済的な産業の集積を図るというのが1つ。もう一つは公共の用地としてそれを利活用していく、この2つの立場があろうかと思います。 特に産業の振興という面では、あれだけまとまった土地というのは市街地の中にはほかにないわけであります。その中で、先ほど答弁でも部長から申し上げましたように、県はサウンディング型の市場調査で、様々な可能性、フリーでそしてアイデアを募ったわけですが、幾つかの、単なる2つという意味ではない複数のアイデアが寄せられた中には、そういったものはありませんでした。具体的な産業立地はありませんでした。 また、産業の立地という観点からは、私どもの産業立地室のほうでも毎年毎年、脈のありそうなところ、調査を行いながら脈のありそうなところをスクリーニングしているわけですが、なかなかそれも引っかかってこない。そのような状況に一つあります。 また、公共の用地として取得する場合には、あれだけ広大な3.5ヘクタール全体であります用地を公共事業の中で用地として取得する財源のやりくりというのは、まず難しい、限られているということになります。 例えば公共施設を造る場合には、学校であれば校舎の建設費には、もちろんこれは文科省からの補助金の制度がございますが、その敷地については自らそれを用意しなければならない。そうした大きな財政上の制約も伴います。 また、例えば大学ですとか、あるいは御質問にもありましたように、国の研究所など国立の機関を招致したらどうか、これ数年前に全国に向けて国立の様々な機関について地方移転の動きの中で提案がありましたが、それはやはり本当に結局は限られた数しかなかったということ。また、もう一つは地元から、例えば用地を用意しなさい、様々な支援策を講じなさいというような、そうした条件が実際についておりました。また、大学の地方移転についても全くハードルが高い、そうした状況にありますので、これもこの地域のために本当になるのかどうかということもしっかり頭に置きながら、真剣な検討を進めてまいりたい、このように考えるところでございます。御理解いただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 次に、次の質問に移ります。 ジェンダー平等と
多様性社会実現についての質問に入ります。 ジェンダー平等とは、社会的、文化的につくられた性別と言われていますが、近年、世界的にもジェンダー平等の問題が論議を呼んでおります。意思決定機関における女性比率の引上げ、議会への女性参加の促進、政治分野における男女参画推進法の女性候補の割合については、努力目標を義務とするべきとか、クオーター割当て制度を導入などが議論されてきております。 いずれにしろ、日本のジェンダーギャップ指数は156か国中、総合120位、政治分野においては147位、男性主導の政治をジェンダー平等の政治に近づけなければならないことは明らかであります。 また、LGBTQに代表されるバイセクシャル、多様性問題、トランスジェンダー、心と体の性の不一致などは世界共通の課題であり、1992年に国連ではマイノリティーの宣言が採択され、多様性に尊重するから、平等に考えが変わってきております。ありのままの自分を認めてもらうから、認められるになったわけであります。 いまだ世界においては、少数民族に対する偏見や弾圧が絶えず、結果、戦争にまで至っております。私は、より多くの人が幸せに暮らせるようにすることが政治だと思っております。それらの人々を肯定することで、私個人としては何の不利益も講じません。いずれにしても避けては通れない問題であります。一人一人が個人として尊重され、多様な生き方と価値観を認め合える社会を目指さなければならないと考えます。 各自治体においても様々な取組が行われています。大町市では平等社会、
多様性社会の課題について、現在、将来においていかに進めていくのかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部参事。 〔総務部参事(田中久登君)登壇〕
◎総務部参事(田中久登君)
ジェンダー平等社会と
多様性社会の実現についてのお尋ねにお答えします。 全ての人が性別や国籍、人種、年齢、価値観、宗教、障害など様々な違いや多様性を認め、誰もが平等に等しく生きる権利を得られることは重要であります。 しかしながら、多様性を受け入れる社会の構築はいまだ道半ばであり、女性や外国人、子ども、高齢者、障害者、犯罪被害者、病気感染者、性的マイノリティーへの差別など、様々な人権上の課題が存在しております。 市では、第5次総合計画や男女共同参画計画、生涯学習推進プランにおきましても、多様性に満ちた共生社会の実現や人権意識の向上、地域で育む学びの推進を掲げ、あらゆる機会、あらゆる場面を通じて人権を尊重するための周知、啓発の取組を継続的に推進しております。 その上で何よりも重要なのは、差別のない多様性を受け入れる社会とはどういう社会かということについて、市民一人一人が理解をいかに深めるかということではないかと考えております。そのために私たちができることは、まず身の回りの存在から多様な生き方に触れ、知見を広げていくということが重要であります。自分とは価値観や立場の違う人が存在することを知り、そして尊重し、日々の暮らしの中での小さな関わり合いの中から、少しずつ理解を深めていくことが大切であるというように考えております。 御承知のように、市ではSDGs未来都市としてSDGsの実現に向けて取組を始めており、この持続可能な開発目標におきましても、年齢や性別、国籍などによる差別や不平等をなくすことが目標に掲げられております。今後、策定を進めます第4次男女共同参画計画におきましても男女のみにとどまらず、ジェンダー平等や
多様性社会の視点も明確にして盛り込んでまいります。多様性に満ちた共生社会の実現に向け、多くの市民の皆様に御理解いただけますよう、一層の普及啓発に力を入れてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 今の答弁で、要点をついた答弁となっていたと思います。こういったことは市民がこういうグローバルな世界になったわけで、遭遇する機会はあると思いますので、こういったことも行政で、より強く進めていっていただきたいと考えております。 最後に、教育長にお聞きします。 大町市教育委員会は以前より、人権を考える市民の集いを校区ごと小まめに開催してきております。人権問題やLGBTQに踏み込み、性同一障害の啓蒙、啓発活動家の話を聞く機会も大町市は設けております。私もかなりの回数で出席しております。 ところで、教育現場においてトランスジェンダーなどの問題に遭遇したときは、どのように寄り添っていくのかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育次長。 〔教育次長(竹内紀雄君)登壇〕
◎教育次長(竹内紀雄君) 教育現場における性的マイノリティーについて、どのように寄り添っていくのかとの御質問にお答えいたします。 当市では、昭和47年にいち早く学校同和教育研究委員会を発足させ、複数、多様化する社会の中で人権の持つ重要性に鑑み、平成20年には大町市人権教育及び人権啓発に関する基本方針を策定し、毎年度、市内6地区の学校を会場としまして人権を考える集いを開催するとともに、地域、学校、企業を上げて人権教育を推進してまいりました。 学校教育におきましては、人権に関する知的理解、人権感覚、実践的行動を3つの柱として児童・生徒がともに学校生活を営む中で、助け合い、共同しながら正しい人権感覚を学び取っていくよう努めているところでございます。 教育の現場で性的マイノリティーに限らず、何かしら生きづらさや悩みを抱える児童・生徒たちを支援し、寄り添うためには、何よりも本人の意思を尊重し、最優先させることが必要と考えております。特に性的マイノリティーのような性の在り方については、外見からはほとんど判断できず、本人も誰にも相談できず苦しんでおり、告白できないままでいるケースが多いと思います。 学校におきましては、児童・生徒を外見や行動だけで判断するのではなく、本人から告白や相談を受けた担任や教職員は、その苦しみを十分理解するとともに、本人の同意を得ずにその事実を周囲に伝えることがないよう配慮することを基本に、本人から相談や告白があった際には悩みの本質を理解し、個に寄り添った支援を行ってまいります。具体的には、更衣室やトイレの利用をはじめ、体育の授業や修学旅行での部屋割り、入浴時間の配慮など、本人の意向に応じた対応に努めてまいります。 性的マイノリティーへの支援や対応については、今後とも思い込みや習慣にとらわれず、生活の問題や課題を正しく理解し、偏見や差別のない一人一人が尊重される多様性のある社会の構築を目指して自分を大切にし、他の人の大切さを認め合う集団づくりを指導の柱にしっかりとした取組を続けてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 残り3分46秒です。再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 次長の答弁で安心いたしました。ただ、マイノリティー本人は相当悩んでいるわけですよね。そういう事実がある。それで、最初に相談した人の受入れ方でその人が再び社会に出ていけるか、潰れてしまうか、その選択があるので、その受け入れる教育者の教育、そういうものの充実をできるだけ図ってもらいたいと思います。 以上で質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 以上で、神社正幸議員の質問は終了をいたしました。 ここで、2時5分まで休憩といたします。
△休憩 午後1時49分
△再開 午後2時05分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第9位、宮田一男議員の質問通告は4項目です。宮田一男議員の質問を許します。宮田一男議員。(拍手) 〔9番(宮田一男君)登壇〕
◆9番(宮田一男君) 日本共産党大町市議団の宮田一男です。 通告に基づき、ロシアの
ウクライナ侵略について、
難聴者対策について、子育て支援について、マイナンバーカードについての4点について、順次お伺いいたします。参考資料も併せて御覧ください。 最初に、ロシアの
ウクライナ侵略についてお伺いします。 ロシアによる
ウクライナ侵略で、多くの高齢者や女性や
子どもたちが犠牲になっています。目を背けたくなるような光景が続き、心の底から怒りが湧いてきます。マスメディアが悲惨な実態の報道に終始する中で、ロシアの無法な侵略をどうやって止めたらいいのか、多くの皆さんが模索しているのではないでしょうか。 では、解決方法はあるのか。参議院予算委員会の公聴会で、松井芳郎名古屋大学名誉教授が公述しました。松井氏は、国連安保理がロシアの
ウクライナ侵略を強く非難する決議をロシアの拒否権により否決した一方で、3月2日に招集された国連総会緊急特別会合では、ほぼ同じ内容の決議を採択した経過の中で、この間、国連が無力だとする議論が出ていることに言及し、確かに総会決議は法的な拘束力を持たないが、国際世論を結集するという意味では非常に強い道徳的、政治的意義を有すると指摘、また、長期的には国際法の執行の力とは諸国民の連帯、国際世論だと強調、ロシアが国際社会で圧倒的に孤立しているという事実は否定できない。これを生かし、どのような具体的な方策を取るか、知恵を出していく必要があると述べました。 どうしたらロシアの侵略を止められるのか、みんなの思いを実現するために何よりも大事なのは、ロシアによる
ウクライナ侵略やめようの1点で国際社会が団結し、ロシアのプーチン政権を世論で包囲することだと考えます。戦争終結に向けて日本は何をすべきか、牛越市長の見解をお聞きし、最初の質問といたします。
○議長(二條孝夫君) 宮田一男議員の質問に対する答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) ロシアによるウクライナ侵攻の終結に向けて、何をなすべきかとのお尋ねにお答えいたします。 まず、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、犠牲となられた全ての方々に深く哀悼の意を表します。 このロシアによるウクライナへの侵攻は、国際社会の平和と秩序、安全を脅かす暴挙であり、明らかに武力による威嚇や行使を禁ずる国際法と国際憲章に違反する行為で、断じて看過することはできません。加えて、単なる威嚇のためか、度々核兵器の使用に言及していることは、核兵器のない世界の実現に向け、努力を続けている国際社会をないがしろにするものであり、この無意味な妄動に強い怒りを禁じ得ません。 2月25日、全国知事会及び全国市長会はじめ、地方6団体では、ロシア軍による攻撃やウクライナに対する主権侵害に即刻強く抗議するとともに、世界の恒久平和の実現に向け、即時撤退を強く求めることを表明いたしました。この地球上から戦争をなくし、恒久平和を望むことは全人類共通の切実な願いであります。既に3か月が経過してしまいました。 引き続き、全国市長会を通じ、ロシアの軍事侵攻の即時停止と即時撤退、そしてウクライナへの手厚い人道支援により、一刻も早く世界平和が回復できますよう働きかけを続けてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 先ほどの公聴会で、核兵器禁止条約について問われた松井氏は、日本は核抑止に依拠するという基本的な立場があって、日米同盟の立場からこの条約には入らないと言うが、国際社会の圧倒的多数の立場とは異なる、大変残念なことだと述べます。 また、ロシアの武器使用をもっと縛る方法はないか、核兵器をめぐる日本の役割はなどの質問に対して、プーチンが核を振り回すのは核兵器を持っているからで、核兵器がなくなればああいうこともできなくなる。核を持つ国が核を振り回すことができないような国際的状況をつくることが必要で、核兵器禁止条約について日米同盟の下でもできることはあると述べました。 また、ウクライナのゼレンスキー大統領が3月23日、日本の国会でオンライン形式の演説を行いました。世界中の政治家たちが議論すべき大きな課題が、もしロシアが核兵器を使用した場合、どう対応すべきかです。どんな国でも完全に破壊されてしまうおそれがありますと述べました。 牛越市長は、核兵器の廃絶を求めて運動する世界首長会議の一員です。政府は核兵器禁止条約に参加せよと発信すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。
◎市長(牛越徹君) 核兵器禁止条約についてのお尋ねでございます。 大町市は、世界の恒久平和を願い、平和憲法の精神にのっとり、核兵器廃絶・軍備縮小を推進する都市宣言を掲げております。核兵器禁止条約が昨年1月に発効したことは、核兵器の廃絶と核兵器を使用する戦争は二度と繰り返してはならないという恒久平和の実現に向けた大きな前進であり、私自身、極めて大きな意義があるものと考えております。 また、昨年11月に
平和首長会議国内加盟都市会議では、核兵器廃絶に向けた取組の推進に関し、政府に要請文を提出し、我が国も一刻も早く核兵器禁止条約の締結国となるよう要請したところでございます。 一方で、核兵器禁止条約をめぐる我が国政府の対応は、核兵器廃絶という目標は共有してはおりますものの、我が国の安全保障上の脅威に対し、適切に対応しつつ核軍縮を前進させるとの理由から、条約への署名批准は行わないとしております。我が国は核保有国の脅威に現に直面しており、国民の安全を第一に考える、こうした対応も一定の理解をするところであります。 政府には平和を願う国際世論の高まりに十分意を配し、唯一の被爆国として核兵器のない平和な世界を早期に実現できますよう先導的な役割を果たし、核保有国との積極的な議論を重ねていくことを切に願うところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) プーチン政権は、核兵器の使用で威嚇しながら軍事侵攻を始めました。核兵器は、相手の攻撃を抑止するためのものだなどという核抑止論が全くのでたらめであることははっきりしました。核抑止とは、いざとなれば核攻撃を行うことにほかなりません。プーチン政権は、通常の戦闘でも必要なら核兵器を先制使用する方針を取っています。通常戦力でNATOに劣る現状を核攻撃で先に打撃を与えて、有利に戦闘を行うという発想です。 こうした中、唯一の戦争被爆国の日本がやるべきことは、核兵器の非人道性を訴えて、その使用を厳しく戒めることです。原爆は、人間として死ぬことも人間らしく生きることも許しません。核兵器は、もともと破滅だけを目的とした狂気の兵器です。人間として認めることのできない絶対悪の兵器なのです。この被爆者の訴えが世界を動かして、核兵器禁止条約を実現する原動力になりました。 そして、日本国憲法はこのロシアのような侵略を地上から永遠に除去しようと誓って、憲法9条で戦争を放棄しました。今、憲法9条による侵略抑止は無力だ、憲法9条を変えようという主張がありますが、この主張は平和憲法の立場を放棄するものです。今こそ憲法9条を守って、日本を海外で戦争するような国にしない、9条を生かして戦争のない世界をつくるために日本政府は核兵器禁止条約に参加せよと引き続き発信することを求めて、次の質問に移ります。
難聴者対策についてお伺いします。 近年、聴力の衰えと認知機能の低下との関係について研究が進んでおります。厚生労働省の認知症施策推進総合戦略でも、難聴は認知症の危険因子の一つとされています。加齢性難聴は一般的に50歳頃から始まり、65歳を過ぎると急激に増加すると言われ、聴力の低下は気づきにくい場合も多く、定期的な聴力検査、健診による早期発見が重要です。 しかし、聴力検査検診は、労働安全衛生法の定期健康診断を受診する機会のない者は、自ら人間ドック等を受診するほかなく、その場合、費用負担が大きくなります。したがって、40歳から対象となっている特定健康診査に聴力検査項目、これを追加できないかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 特定健康診査に聴力検査を追加できないかとの御質問にお答えいたします。 特定健康診査は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、国民健康保険加入者を対象に生活習慣病の予防、早期発見、早期対策につなげるために実施しているもので、その検査項目につきましては、国の特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準により定められております。 現在、市では基準に定められた項目のほか、腎臓の働きを見るクレアチニン検査、血管の内側に影響を与える尿酸の検査など11項目について、独自に追加検査を実施しておりますが、これらの検査は特定健康診査の主たる目的である生活習慣病の兆候をより早期に、正確に捉えるために行っているものでございます。 御質問の聴力検査につきましては、現在、国の実施基準には含まれておらず、また、生活習慣病対策にも該当していないため、当市を含む県内19市及び近隣町村の状況を見ましても、現在実施されておりません。 また、聴力検査の実施には専用機器が必要となるため、検査を実施している医療機関や集団検診の委託事業者において、新たに検査機器を整備する必要があるなど、体制面におきましても課題があり、実施は難しい状況にあるものと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 聴力検査を特定健診の検査項目に加える。このことは難聴の早期発見と医療機関への受診、難聴による認知症を予防して健康寿命の延伸となります。そして、結果的には医療費の抑制につながる施策であると考えます。これ、今後、検討材料としてできないでしょうか。再度質問いたします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 聴力検査を検査項目に加えることで、医療費の抑制につながるのではとの御質問でございます。 議員御指摘のとおり、厚生労働省からは高血圧や糖尿病、喫煙などに加え、難聴が認知症の危険因子として示されております。しかしながら、聴力検査を検査項目に加えることにより医療費の抑制につながるかという点につきましては、医学的知見に基づく綿密な調査、検査にかかる費用と効果の測定など、専門的な視点による検証が必要であると考えられ、市としてこれを判断することは困難であります。 こうしたことから、この課題につきましては医療制度全体の課題として、国において十分検討、議論すべきものと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) これを導入している自治体はまだないと、あるいは少ないということのようですけれども、最終的にはやはり医療費の、認知症がなくなれば、健康寿命が伸びれば、医療費の抑制につながるということかと思います。ぜひ今後検討していただきたいというふうに思います。 続いて、令和3年12月議会でも質問しましたが、
補聴器購入補助制度についてです。 新聞赤旗日曜版の5月22日号では、自治体独自に補聴器の購入費を助成する制度が広がっていますの記事の中で、助成制度を実施している自治体の例として、長野県では木曽町、南木曽町、南牧村、南箕輪村が紹介されていますが、新たに伊那市やお隣松川村でも補助制度を導入するとのことです。大町市でも導入できないかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君)
補聴器購入補助制度の導入についての御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、近隣自治体では松川村において、本年度より身体障害者の制度である補装具補助の対象とならない65歳以上の高齢者に対して、補聴器の購入に助成する制度が始まり、県下19市では、伊那市において昨年度より18歳以上の方を対象に実施されております。 また、加齢性の難聴による身体障害者手帳取得が近年増加傾向にありますことから、聴力が低下している高齢の方が増加しているものと推測されます。高齢な方にとりまして、他者との会話や仲間との交流など、社会参加が認知症予防に効果があることが医学的にも言われております。 市としましては、地域で行われております介護予防教室等の機会を通じ、状況の把握に努めますとともに、高齢者の介護予防施策の一つとして中度、軽度の難聴の高齢者に対する支援の在り方について、他市町村の状況も踏まえながら検討してまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 先ほどの新聞赤旗の記事に、補聴器を現物支給された85歳の方の声が紹介されています。商店街での買物のやり取りに困らなくなった、日常の会話の輪にも加われるようになった、テレビもカラオケも楽しんでいる、補聴器は生活に欠かせないとのことです。 経済的理由で補聴器が購入できず、社会参加ができない高齢者をなくす施策として、補聴器の購入に際し、公的助成をすることは必要です。そして、高齢になっても生活の質を落とさずに心身ともに健やかに過ごすことができ、認知症の予防、ひいては健康寿命の延伸、医療費の抑制につながる特定健康診査における高齢者の聴力検査の導入と加齢性難聴者の補聴器導入に対する公的補助制度の創設、これを求めて次の質問に移ります。 子育て支援についてお伺いします。 令和元年6月議会で、前回、市長選挙で高校3年生まで医療費の無料化を拡大すると掲げた公約をいつまでに実現するのかと私が質問いたしました。その後、牛越市長、公約を実行し、対象の拡大が図られました。 県下の状況はどうかといいますと、今年4月から、入院外を問わず18歳または20歳まで制度の対象とする市町村が表のように67になりました。そして、長野県は今年度予算において福祉医療費給付事業予算を増額して、これまで通院の場合、就学前だった子どもの医療費の対象年齢を小学校3年生まで拡大することとなりました。これにより、大町市の負担が軽減されます。この県の制度改定に併せて、今までレセプト代として自己負担を求めていた500円、これをなくして完全無償化できないかお伺いします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君)
福祉医療制度の完全無償化を実施できないかとの御質問にお答えいたします。
福祉医療制度のうち、お子さんの医療費につきましては、子育て世代の負担軽減のため助成を行っており、令和2年度から対象年齢を高校3年生まで支援を拡充したところでございます。 また、議員御指摘のとおり、一医療機関ごと一月500円を上限として、これまでと同様に御負担いただいております。 また、県の制度改正により本年度から補助対象が小学校3年生まで拡大されたことに伴い、市の負担は380万円ほど減少するものと推計しておりますが、議員から御指摘のあった完全無償化にはさらに毎年1,100万円ほどの財源確保が必要となります。
福祉医療制度はお子さんのほか、障害をお持ちの方などの医療費に対しても助成を行っており、制度全体のバランスを考慮する上でも医療費の完全無償化は困難であることを御理解いただきたいと存じます。 なお、お子さんの医療費助成など社会保障制度の根幹に関わる重要な施策につきましては、本来国が全国一律に取り組むべき制度であり、引き続き全国市長会等を通じて国に強く求めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 長野県の調査によりますと、受給者負担金のない完全無償化の町村、表を御覧いただきますと、令和4年4月1日現在で11町村です。長和町、原村、飯島町以下です。さらに、レセプト代300円いただいているところが15町村であります。 今、部長のほうから答弁ありました、この県の制度によって減少するのは380万円だと。そのほかに1,100万円の負担でレセプト代がゼロにできると、逆に言えば、ということだと思います。市民感覚としては、ほかの予算から比べれば、170億円の予算からすれば、それで今、県下進んでいるその他町村と同じようなレベルにできるということですので、できないか再度ちょっと質問いたします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたが、お子さんの医療費に限らず障害をお持ちの方でありますとか、
福祉医療制度というものは対象の範囲がありまして、そこの部分も含めますと相当大きな負担となることが予測されます。なかなか現実的には難しいものと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 完全無償化ということを求めて、次の質問に移ります。 マイナンバーカードについてお伺いします。 今年3月28日に共同通信社が、
マイナ保険証導入と患者の負担増という記事を各新聞社に配信しました。 趣旨は、共同通信社が作成した図にあるように、マイナンバーカードと健康保険証の機能を併せ持つ
マイナ保険証を4月から病院などで使った場合、患者は窓口で支払う医療費が増える。3割負担の人は初診時に21円、再診時に12円上乗せされる。さらに、その導入した医療機関にかかった場合、従来の保険証でも初診で9円かかるという中身です。理由は、
マイナ保険証は政府が昨年秋に本格導入したものの、普及が遅れておって、取組を促すために対応病院の医療報酬を引き上げた、そういうふうに報道されています。そして、唐突な患者へのしわ寄せに反発の声も上がっていると、そういう記事でございます。 大町市では、マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになりますとの告知をしています。さらにマイナンバーカードの窓口申請お手伝いサービスを行っていますが、現在までこのサービスを通じて申請した件数と、申請お手伝い時に
マイナ保険証にすると、先ほど申し上げましたような負担が増えるという事実を説明をしているのかどうかお伺いいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 窓口申請サービスの申請件数と
マイナ保険証に関する負担増の説明についてお答えいたします。 市におけるこれまでのマイナンバーカードの申請件数は5月22日現在、1万1,513件、申請率は42.8%となっております。そのうち昨年度の申請件数は2,333件、カードの交付枚数は2,859枚と、取扱い件数が大幅に増加しているところでございますが、窓口申請お手伝いサービスによる申請件数につきましては、集計をしていないため把握しておりません。 なお、昨年度にマイナンバーカードを取得された方のうち、保険証とのひもづけを希望された250人の方には手続のサポートを行っております。 議員御指摘のとおり、本年度の診療報酬改定により、この4月から
マイナ保険証を使用して診療を受けた場合には、従来の保険証と比べ負担増となる場合がございます。ただし、この窓口負担の取扱いにつきましては、必ずしも一律ではなく医療機関によっても異なっており、かえって混乱が発生することを避けるため、こうしたことについての情報提供は実施しておりません。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) マイナンバーカードに関する政府のポータルサイト、マイナポータルの健康保険証機能の申込みページ、これを確認してみました。
マイナ保険証を使うことによって、窓口負担が増える可能性があることは一切記載されていません。当該ページに記載されていることは、就職、転職、引っ越しをしても健康保険証としてずっと使える、マイナポータルで特定健診情報や薬剤情報、医療費が見られますといった
マイナ保険証のメリットだけです。これは、実際よりよく見せかける表示を禁じている景品表示法の違反にならないだろうかと疑っています。 政府は、2022年度末までにマイナンバーカードをほぼ全ての国民に行き渡らせることを目指しています。そのために巨額の税金を使って、カード所有者に最大2万円のポイントを付与するマイナポイント事業を行っています。2021年度補正予算だけで事業費は1兆8,000億円です。 しかし、その一方で
マイナ保険証を提示した人には、従来の保険証を使った人よりさらに医療費を上乗せするという全くちぐはぐなことをやっています。
マイナ保険証の普及が遅れているために、取組を促す方策として病院の医療報酬を引き上げる、そしてその負担を患者に求めるというひどいやり方です。市としてマイナンバーカードの推進に当たっては、このようなデメリットもしっかり説明をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) マイナンバーカードのデメリットについても説明すべきとの御質問にお答えいたします。 カードの取得の推進に当たりましては、議員御指摘のとおり、国からの情報を的確に把握し、より一層丁寧な説明や情報提供に努めてまいります。また、
マイナ保険証の使用に伴う窓口負担につきましては、現在、国において議論がなされておるところであり、今後もその動向に注視してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君)
マイナ保険証については、市内の開業医の方から、マイナンバーカードの保険証利用、顔認証つきカードリーダーを申し込み、導入した。しかし、患者の負担が増えるとは思わなかった。リーダー申込み補助金申請は慎重にすべきだったとの声です。 このような中、私が定期的に検査に行っている病院にポスターの掲示がありました。資料の最後のページにあります。受診時には今までどおり保険証を提示してください。マイナンバーカードは不要です。政府はマイナンバーカードを保険証として使えると宣伝していますが、無理につくらなくても大丈夫、今までどおりの保険証で受診できます。マイナンバーカードの持ち歩きは危険、紛失、悪用、個人情報の漏えいの可能性と警告しています。 マイナンバーカードのひもづけについては、健康保険証のほかに運転免許証等も計画されています。市は広報などで告知する場合、メリットだけでなくデメリットもしっかり説明すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 答弁を。民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) お答えいたします。 デメリットと今、御指摘もされておりますけれども、国の基本的な方針としましては、このマイナンバーカードの普及促進というのは掲げられております。市といたしましては、しっかりとそうした情報提供という部分が一番大事だと思いますので、しっかりと国の情報も受けながら、市民の皆さんに分かりやすく情報提供に努めてまいりたいというように考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。宮田一男議員。
◆9番(宮田一男君) 今、そういう御答弁でございましたが、窓口やあるいは広報等でもマイナンバーカードの広報に掲示がございます。そうする場合もそういう、いいところばかりでなくて、そういうこともあるんだよということはぜひ周知をする。今、契約の社会ですので、例えば携帯電話買う場合もどんな保険を契約する場合も、全て説明責任というのを求められております。このマイナンバーカードについても同じだことと思います。全ていいところだけではございませんので、そういうものを推進に当たる、あるいは広報で周知する場合も、こういうこともありますよということはぜひお知らせして、そして窓口でも慎重な対応を求めてもらうということで、そういうふうに進めていただきたいということで一般質問を終わりたいと思います。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 以上で、宮田一男議員の質問は終了をいたしました。 ここで、2時55分まで休憩といたします。
△休憩 午後2時41分
△再開 午後2時55分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第10位、一本木秀章議員の質問通告は1項目です。一本木秀章議員の質問を許します。一本木秀章議員。(拍手) 〔13番(一本木秀章君)登壇〕
◆13番(一本木秀章君) 政友クラブの一本木秀章です。 通告に従い、これからの農業振興についての1項目の質問をいたします。
新型コロナウイルス感染症による経済の停滞も徐々に解除され、人の動きも戻りつつあります。しかし、農業については
新型コロナウイルス感染症の影響で、主食用米の需要が減り、さらに外食産業の米の需要の減少で米価の低迷が続き、農家の収入も大幅に減少しています。加えてウクライナ情勢に円安が加わり、肥料や資材、飼料の高騰、原油価格の上昇などで、特に米の販売農家は大きな打撃を受けています。 そんな中、大町市の農業振興について、どのように農業振興をするのか。4月に策定された大町市
農業振興計画において、大町農業の目指す姿とはどのような姿なのかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 一本木秀章議員の質問に対する答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) 大町市
農業振興計画における市の農業の目指すべき姿について、御質問にお答えいたします。 地域農業を取り巻く環境は、農業者の高齢化と後継者不足という農村社会が抱える根源的な課題をはじめとして、人口減少や消費者ニーズの多様化による米の消費減少及び新型コロナによる外食産業での需要減少等に伴う農産物価格の下落に加え、円高やウクライナ情勢等を起因とする原油価格の上昇とともに、肥料、資材等の高騰による生産コストの上昇など、劇的な変化を来しております。 こうした情勢の中、情勢の大きな変化に的確に対応するため、国及び県の効果的な補助制度を活用しつつ、当市の寒暖差が大きく、そして乾燥した気候や、北アルプスから流れ出る清冽な水などの地域特性を最大限に生かし、農業振興を図っていくことが不可欠であると考えております。 このたび策定いたしました
農業振興計画では、大町市の農業の将来像を「豊かな水を活かした農業・農村を守り育み 次世代へ」と位置づけ、この将来像の実現に向けた7つの基本政策、施策に基づき、計画期間であります本年度から令和8年度の5年間における具体的な個別施策と目標値を定めております。 初年度につきましては、香港において大町の米を大町の水で炊いた握りたてのおにぎりを提供するおにぎり専門店を展開いたします。今後も引き続き、当市農産物などの販売を積極的に推進し、ブランド化を図ってまいります。 また、平上原地区で県が実施する圃場整備事業につきましては、本年度、実施設計を進めると伺っており、高収益作物を含む営農計画につきましても、具体的な作物の選定が検討されておりますことから、大規模農家の取組を促進するため、作付に要する機械の導入や施設整備に対し、引き続き支援してまいります。
農業振興計画に示す成果指標であります目標値の達成を目指し、市の農業振興を図るための施策を積極的に推進するとともに、農業を取り巻く情勢に応じて必要な見直しを適時図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) 市長、ありがとうございました。 振興計画では、信濃大町ブランドの戦略的な展開、これが有力事項として記載されています。私も何回も農産物のブランド化について質問していますが、農産物のブランド化が一向に進んできていないように思います。実際、どのような戦略的展開するのかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 大町市
農業振興計画における信濃大町ブランドの戦略的な展開についての御質問にお答えをいたします。 当市では稲作が中心の営農形態であり、一部で作物転換が進行しておりますものの、高付加価値の高収益作物への転換はまだまだ進んでいない状況にあります。 こうした状況を転換するため、営農技術の向上や施設の維持、増強を進め、農産物の高付加価値化を進めることによって、産地間競争で優位となるブランド力を養い、地域特性に適合した持続可能な農業を推進するため、今後、県農業農村支援センターや農協と連携し、地域ブランドとして高収益作物を導入するため、様々な支援策の充実強化を図ってまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) 高付加価値化、高収益化作物というのがあるんですけれども、なかなかそれがブランドまでは結びついてこないというのがあると思います。せっかくいい計画を立てたものですから、絵に描いた餅にならないように、5年間の間にしっかりやってもらいたいと思います。 それでは、次に、先ほど市長からも説明ありましたけれども、
新型コロナウイルス感染症の影響により、開店の時期を調整していた香港における大町市の水で大町市の米を炊いたおにぎりを提供する専門店、これが本年度早い時期に開店できるという、先ほども説明があります。これも大変期待しております。 私も以前、お米の関係やっていたんですけれども、アメリカのお米のバイヤーの人に聞いたところによると、アメリカではそういうスーパーで白米を売るよりも、そういうおにぎりみたいなもの、加工のものを売ったほうが大変人気があって、それに合わせて特産物みたいなものを、例えば大町のおにぎりを使ったら、大町の特産物をそういう店で出したときに、今度も専門店ということですので、大町のみそとか、そういういろんなものを味わってもらいながらやるというのは大変いいと思います。 その中で、向こうのほうで希望が出たのは、普通の電気釜じゃなくて、土鍋とかお釜で炊いたおにぎりというのが大変人気が高いということを何年か前にちょっとお話があったんですけれども、こういうおにぎり店というのは大変いいと思います。 この香港でのおにぎり店、開店が近づいてきて、より大町市産の農産物のPRができてくると思います。そこで、この香港のおにぎり店というのは実際どんなものなのかをちょっと詳しく教えていただきたいんですけれども。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 御質問にお答えいたします。 まず輸出の関係から言いますけれども、農産物等の輸出につきましては、輸出に取り組む事業者の皆さんが令和3年1月に、この大町市農産物等輸出協議会を設立し、積極的に事業を推進しております。 お尋ねの香港でのおにぎり専門店におきましては、大町の米を大町の水で炊き、握りたてのおにぎりを提供するものでありますことから、当市の米や水をPRする絶好の機会であると考えております。 当市の米は、北アルプスの麓に広がる水田で、澄んだ空気と清冽な雪解け水により育まれており、味の豊かさとともに田園風景や3,000メートル級の峰々などの景観や自然環境を併せてPRし、ブランド力を図ってまいります。 今後は、おにぎり店を香港における拠点として、現地事業者と調整を図りながら、リンゴや日本酒など他の農産物等の販売につきましても検討するとともに、観光課と連携を図り、コロナ終息後のインバウンド誘客にもつなげてまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) しっかり大町のPRというものをしてもらいたいと思います。 それともう一つ、先ほども大町の水で炊いたというのがやっぱり一番ポイントだと思います。お米というのは、やっぱりそこのできた水で炊くのが一番おいしいと言われていますので、これは大変いいことだと思います。ですので、いつになるか分からないですけれども、本当に大町のPRをしっかりしてきていただきたいと思います。 次の質問に入ります。 この振興計画では、農業所得を従とする兼業農家、減少が平成12年から令和2年まで65%も減少しているという表が載っていました。兼業農家がこれだけ減ってきている、このような中、市としてはどのような対応をしていくのかお聞かせください。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 兼業農家の減少への対応についてお答えをいたします。 当市における一定規模以上の耕作面積と農産物の販売金額を有する販売農家の戸数は、平成12年の1,903戸から令和2年には735戸と、約61%減少しております。販売農家における兼業農家の数は平成12年、1,689戸でありましたものが令和2年には665戸と販売農家同様、約61%減少しております。兼業農家の減少は販売農家の戸数全体の減少に伴うものであり、この要因は大規模農家に農地が集積された結果と考えられております。 当市では従前より水稲栽培が主力であり、兼業農家の比率が高いことから、引き続き人・農地プランの中心形態に農地を集積するよう図ってまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) 農地の集積というのは、国のほうでも推奨していますので、やってもらえばいいと思うんですけれども、特にこれから転作も増えてくるというのが今日の新聞かな、出ていましたけれども、そういうものに対しても荒廃地が増えないようにいろんなことを、対策を立てていってもらいたいと思います。 次に、先月26日、生坂村や池田町、大町市も八坂でも多少ひょうの被害がありました。昨日も群馬県にかなりのひょうが降ったということで、このような異常気象による農産物の被害が大変増えてきていると、こういうことで販売農家を守るために農家のセーフティーネットとして、収入保険の所要経費の支援策というのをこの前の市長挨拶の中でありましたけれども、これも大変いいと思います。これが補正予算に計上されたと。 収入保険というのは、農家の農業収入減少を補填する保険です。多くの販売農家に加入を勧めています。今回の自然災害等があった場合、入っていた場合はもう全然、補償ができるということで、本当にこの今の時期というのはやっぱりひょうが多いと。ちょっと前までは霜でもって去年はリンゴが駄目になったとか、そういうことがありますので、農業やるに当たってはこの収入保険というのは大変大事な保険だと思われます。 ただ、私もそうなんですけれども、米だけを販売している農家については、価格が減少して収入が減ったと、そういう場合には収入保険の関係で過去5年ということで支払われると、そういうことになっていますけれども、ただ農業収入の保険になりますので、先ほど部長の言われている高収益とか高付加価値のもの、お米下がったから作ったと、そうなりますと、高収益作物でもって収入が補填されて、昨年の収入よりも減らなくて増えてしまった。そういう場合は、米が下がっても収入保険は米については支払われないと、そういう現象が今あると思います。そういうのを懸念してやはり米農家も収入保険については、やはりナラシがまだあるものですから、それのほうがいいということでナラシのほうをやっているわけですけれども、これからは収入保険をもっと皆さんに知ってもらって、やっていただければいいと思います。 米農家がこの収入保険に加入するときのメリットというのをちょっと教えてください。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 収入保険のメリットについての御質問にお答えいたします。 米価下落等に対するセーフティーネットにつきましては、本定例会におきまして農業共済組合で実施しております収入保険制度に対し、保険料の30%を市から補助することにより、農家の負担軽減を図ることとし、所要の経費を計上する補正予算を上程しております。 収入保険のメリットにつきましては、全ての農産物を対象として、基準収入額の9割を下回った場合に、下回った額の9割を上限として補填されるものであります。 議員御指摘のとおり、基準収入額を収入が上回った場合は補填されませんが、特例として収入が上昇しそうな場合は見込収入を基準収入額にすることができる収入上昇特例などが設けられており、これにより補填対象となる場合もございます。 今後、米価下落等に対するセーフティーネット対策として、収入保険制度の周知及び加入促進を図ってまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありますか。一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) 私も収入保険、入っているわけですけれども、やはりその説明がなかったということで、今回米が下がったけれども、一本木さんには収入保険は払えませんよと、そういうことがありましたので、この質問をしてみました。 それと、特に農家によっては、そういう疑問を持っている方が大変多くいると思います。今、コロナの関係でもって懇談会等ができない状態がありますので、そういう懇談会等があるときにまたしっかり話してもらえれば、加入数が増えてくると思いますので、お願いいたします。 それでは、次の質問に入ります。 先日、美麻地区で行った意見交換会で、地域おこし協力隊が地域に入って活動できる場所をつくってもらいたい、それが定住につながり、将来の仕事につながるという意見が出ました。 特に中山間地においては、地域おこし協力隊の採用が地域の将来につながるのではと思います。大町市周辺の町村では多くの地域おこし協力隊が農業分野で活躍して、定住につながっています。当市の地域おこし協力隊は、今まで全部で10人、農林水産課に1人と、この1人の人が農業をやりながら民泊をしているということであります。こういった農業に対応する地域おこし協力隊を中山間地に採用して、中山間地を活性することができるのかお聞きします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 地域おこし協力隊についてのお尋ねにお答えいたします。 地域おこし協力隊は、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方におきまして、地域力の維持、強化を図るため、地域外の住民を受け入れ、地域ブランドや地場産品の開発、農林水産業への支援、また、住民の生活支援などの地域協力活動を行いながら、その地域への定住・移住の定着を図る取組であります。 当市では、平成29年度まで協力隊員として農業以外の業務に就いていた方が、その後、美麻地区に移住して、現在、ハナマメ栽培などの農業に従事している事例もございます。ただし、農林水産業の支援業務はあくまで農産物のブランド化や特産品の開発など、地域の農業振興に寄与する業務であり、単に人手不足を補うための作業だけに配置することは難しいと考えております。 今後、中山間地におけます農業分野での地域おこし協力隊の活動について、さらに研究を進めてまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) やはり地域おこし協力隊というのは外から来ますので、昔からここに住んでいる人には思い浮かばないようなことも出てくると思いますので、なるべく協力隊の採用を検討してもらえればと思います。 では、次に市の
食料安全保障の考えと取組についてお聞きします。 食料は、人間の生命の維持に欠くことができないものであるだけでなく、健康で充実した生活の基礎として重要なものです。全ての国民が将来にわたって良質な食料を合理的な価格で入手できるようにすることは、国の基本的な責務です。 このため、平成11年7月に戦後40年たって初めて公布、施行された食料・農業・農村基本法において、国内の農業生産の増大を図ることを基本にし、これと輸入及び備蓄の適切な組合せ、食料の安定的な供給を確保するとしています。 また、凶作や輸入の途絶等の不測の事態が生じたときにも、国民が最低限度必要とする食料の供給を確保しなければなりません。 世界的な人口増加等による食料需要の増大、気候変動による生産減少など、国内外の様々な要因によって食料を供給するに影響を及ぼす可能性があります。食料の安全供給に対する国民の不安もだんだん高まってきます。このため不測の事態に備え、日頃からそうした要因に影響等を分析、評価するとともに、不測の事態が生じた場合に具体的な対応手順の整備等を進めていくことが重要です。このような取組を
食料安全保障といいます。
食料安全保障というとちょっと難しい言葉になりますけれども、国がやることではなくて、国民一人一人が取り組んでいくということが重要となります。この
食料安全保障、この中で一番重要としているのが食料自給率を上げると、これが
食料安全保障につながると言われています。 昨年、日本の食料自給率、カロリーベースで過去最低の37%となり、63%を輸入に依存しています。日本農業において、
新型コロナウイルスやウクライナ情勢に円安が加わり、肥料、農薬や飼料の高騰、原油価格の高騰が農業現場に深刻な影響を与えています。特に化学肥料においては、この秋、55%も値上がりするという情報が出ております。このような世界の食糧事情が急変している中、食糧安保のために大町市として食料自給率を上げる取組についてお聞きします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
産業観光部長。 〔
産業観光部長(駒澤 晃君)登壇〕
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 食料自給率を上げる取組についての御質問にお答えいたします。 国が令和2年に策定した食料・農業・農村基本計画におきましては、食料自給率の向上と
食料安全保障の確立を一つの柱としており、熱量で換算するカロリーベースで2018年度の37%から2030年度には45%に引き上げることが目標に掲げられております。 しかしながら、国内の米の消費量は人口減少や食生活の変化により大幅に減り、逆に自給率が低い肉類や油脂類の消費が増加しております。このことが食料自給率の長期にわたる低迷につながっているものと考えられます。 市としましては、食料自給率を上げる取組として、米を含めた農産物の輸出強化による海外への販路拡大を積極的に進めていくこととしております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) 先ほど言われたとおり、食料自給率上げるには、輸出等がいいと言われていますけれども、米粉についても自給率が上がるということが言われています。 小麦粉の急騰、グルテンフリーなど健康志向で今、米粉の人気がかなり高まってきています。米を粉にした米粉は、古くから米菓や和菓子などに使われてきましたが、パンやケーキ、麺類など新たな用途への利用も行われているところであり、このような用途に適した品種や米粉を製造する製粉機も開発されてきています。 そこで、大町産米を使って米粉を作り、それを加工してブランド化を図り、国内のみならず輸出もして食料自給率を上げると。このような大町産米粉を使った消費拡大の取組、こういうものは進んでいるのかお聞きします。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 大町産米粉を使った消費拡大についてのお尋ねにお答えをいたします。 当市では、主食用米を一部米粉として利用しておりますが、米粉用米の取組は実績がございません。国では、経営所得安定対策の直接支払交付金におきまして、米粉用の取組について数量払いではありますが、最大10アール当たり10万5,000円が交付されております。 ウクライナ情勢などの影響を受け、小麦粉の国際価格が上昇し、米粉の需要が高まっておりますことから、今後、県やJAと協議し、大町産米粉の生産について研究、検討してまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) 先ほども米や米粉の輸出というのがありましたけれども、これで自給率を上げたいと。最初に聞いたおにぎり店、専門店、こういうものを利用した大町市産の米について、ほかの国でも今、香港だそうですけれども、増やしたり、あと国内、立川も多分あると思うんですけれども、そういうところでもってこういう大町産のお米をPRするという計画はあるんですか。お聞かせください。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) お答えいたします。 今、議員御指摘のとおりに今回、香港でのおにぎり専門店には当然、当市の米を使っていただくわけですが、そのほかにも実は立川の当然アンテナショップでも取扱いをしていただいているとか、あとホテルとの直接契約の中で、契約として大町産の米を使っていただいているというようなことで、今後また関西地区でもそういうような取組を今、進めてまいりますので、できるだけそういうPRに努めていきたいというふうに思っております。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) 本当に足を運びながら、大町の米というのをPRしてもらいたいと思います。 次に、先ほど言いましたとおり、化学肥料、秋には55%上がるということで、この化学肥料の高騰が今、進んでいます。この化学肥料の高騰で有機栽培が増えて、循環型農業としての堆肥の利用がこれから増えてくると思います。 大町市は、畜産農家が減少傾向にあります。また、飼料の高騰も続き、畜産農家も大変苦しい経営を強いられています。現在でも有機栽培農家が堆肥の確保に大変苦労しています。大町市
農業振興計画においても有機農業、環境に優しい農業の推進をしていますが、有機農業に使う堆肥の確保には何か対策はあるのでしょうか。お聞きします。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 有機農業に使う堆肥の確保についての御質問にお答えいたします。 有機農業で使用する堆肥につきましては、牛ふんをはじめ豚ふん、鶏ふん、稲わら、もみ殻及び米ぬかなど、農業者自身の嗜好や作目によって種類、使用量など様々になります。現在、農業者からは飼料の高騰に伴う堆肥に係る相談は受けておりませんが、相談があった際には県やJAなどと連携を図り、堆肥に係る積極的な情報提供に努めてまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) これから
食料安全保障のために、輸入に頼っている小麦や大豆、トウモロコシ、飼料作物、これがやはり米の作付が減らさなくちゃいけないというところで増えてくると思います。こういう作物というのを再生協等でもっと増やしていくと、そういう計画はあるのかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君)
産業観光部長。
◎
産業観光部長(駒澤晃君) 小麦や大豆、トウモロコシ等の作付計画についての御質問にお答えをいたします。 ウクライナ情勢等により、食料の安定供給におけるリスクは増大しており、輸入に頼る小麦や大豆、飼料用トウモロコシなどの国内増産には、畑作対策の拡充が今後、必要となるものと考えております。 現在、国において検討を進めており、国や県の情報に注視し、大北農協と連携し、農業者に的確に情報を提供してまいります。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。あと2分30秒です。一本木秀章議員。
◆13番(一本木秀章君) これからいろいろ大変な時期が来ると思いますけれども、特に農家所得を増やす、それからほかの農業を守るということで、いろんな対策等ありましたら、なるべく早く農家のほうにお知らせをしてもらいたいと思います。 これで私の質問は終わります。
○議長(二條孝夫君) 以上で、一本木秀章議員の質問は終了をいたしました。 以上をもちまして、本日の日程は全て終了しました。 本日は、これをもって散会といたします。大変御苦労さまでした。
△散会 午後3時29分...